北海道農業士協会 会長 東井 宏光さん
Profile:1976(昭和51)年、岩見沢市生まれ。岩見沢東高校を卒業後、岩手県にあった農業者大学校落葉果樹農業研修所で2年間学ぶ。20歳で実家に就農した東井果樹園5代目。2019(平成31)年春から現職。耕地面積は33ha。りんご、さくらんぼ、ブルーベリー、プルーン、梨、ワイン用ぶどうのほか、水稲、小麦も作付け。(ブルーベリー畑で6月12日に撮影)
この記事は2019年8月1日に掲載された情報となります。
実家に就農した当時の自分を振り返ると、〝オヤジもよく我慢してくれてたな〟と思うくらい、いい加減なやつだったんです(笑)。でも、当時うちで受け入れていた研修生さんたちが必死に覚えようとしている姿を見て、自分がいかに恵まれているかに気が付いた。そこから心を入れ替えて、本腰を入れるようになりました。
自分の代から始めた果樹はブルーベリーとプルーン。ワイン用ぶどうもセイベルからシャルドネに変えて力を入れていく予定です。
果樹は、このICT農業全盛の現代でも機械化できないことばかりで、剪定も摘果も一本一本に向き合っていくしかありません。
10年20年後のその樹の未来を考えて、どの枝を切って、どれを残したらいいかを考えていく。もちろん時間も手間もかかりますが、この手作業こそが高品質に結びついて自分たちの優位性になる。そう思いながら、日々畑に出ています。
農業士の役目の一つである担い手育成も、果樹栽培同様に時間のかかる道のりです。そこを歩いていくにはまず、自分たちがしっかりしていないと。
そのうえで全道の農業士が集まる北海道農業士協会で情報を交換し、自分一人では抱えきれない課題も解決に導いていく。相談を寄せられた時、「その話ならあの人が詳しいから紹介するよ」というように、人と人を結びつけて適切な助言が行き交うようになればいいですよね。
道外視察や外部研修など一個人では行けないところも、北海道農業士協会なら入っていけるというメリットを活用しない手はありません。点を集めて面にして、みんなで成長していく。そういう集まりにしていけたらいいなと思っています。