あの人のVIEW POINT

何事にも誠実に向き合う

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何事にも誠実に向き合う

ホクレン農業協同組合連合会
代表理事会長 内田 和幸さん

 

Profile:1949(昭和24) 年、水稲と畑作を営む農家の3代目として長沼町に生まれる。酪農学園短期大学卒業。2004(平成16)年にJAながぬまの組合長に就任、現在は会長理事。2014年からJA北海道中央会の副会長を務め、今年6月、ホクレン代表理事会長に就任。長沼町の農場は長男が経営を引き継ぎ、約40haで麦と大豆、野菜を中心とした農業を家族で経営している。(長沼町の自宅にて撮影)

 

この記事は2017年8月1日に掲載された情報となります。

 

私が幼いとき、両親は川の水を利用した沢水田と畑作で生計を立てていました。高校を卒業する頃になって、用水路のある平場の土地を手に入れて移ったんです。当時の稲作はまだすべて手作業でした。父は車の運転ができなかったので姉がその仕事を担ってくれました。高校や短大に進学できたのも姉のおかげです。その後、私が就農して農地を拡大していく際、機械関係はもっぱら私の仕事になりました。

農作業は小さな頃から手伝っていましたが、私自身は嫌だと思ったことはないんです。性に合っていたんですね。今も農業は天職だと感じています。もちろん思い通りにならないこともあるけれど、自分の考えで自由にできる。結果が悪くても、誰のせいにもできない。そこがいいんです。

なぜ管理が行き届かなかったのか、矛先は常に自分に向きます。いわば自分との闘い。失敗しながらも成長できる。だから、若い人たちには、農業を一生の仕事に選んだ以上、誇りを持って誠実に取り組んでほしい。その思いがあれば困難があっても前を向いて乗り越えられると思うのです。

まわりの支えも大切です。今は昔と違って選択肢も多く、目先のことにとらわれたり、情報の氾濫の中で迷うこともあるでしょう。それでも「最後に頼りになるのはJA・ホクレンだ」と認めていただけるような、頼れる組織にしなければなりません。

私はこれまで3年間、農政課題の解決に向けて、国への働きかけに携わってきました。今後は、その経験もいかしながら、ホクレンの経済事業をしっかりと前に進めていきたいと思います。

柱になるのは「生産者の所得向上」と「地域貢献」の二つ。組合員の方々と信頼関係を築くのはもちろん、地域の方々にもJA組織の存在意義を理解してもらい、応援していただけるよう、なお一層の努力をしていきたいと思っています。