あの人のVIEW POINT

仲間との出会いに励まされて

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大原ノリ子さん

JA北海道女性協議会(JA道女協)
会長 大原 ノリ子さん

 

Profile:1951(昭和26)年、むかわ町生まれ。せたな町北檜山区で農業を営む正照さんと1974年に結婚。現在は息子の正臣さんと3人で、JAきたひやま管内にて水稲、小麦、大豆、小豆、馬鈴しょ、ほうれん草、かぶ、スイートコーン、メロン(キングメルティ)を作付け。全道12の地区会長で組織する選考委員会により選任され、昨年4月よりJA道女協の会長を務めている。(北桧山町の田んぼにて撮影)

 

この記事は2016年10月1日に掲載された情報となります。

 

私が農協の女性部に入ったのは、子育てが一段落して40歳を過ぎてからです。家の中から外に出てみて初めて、苦労しているのは私だけではないんだと気がつきました。

以前から私は漠然と米をつくるのではなく、消費者が求めるものをつくっていかなければならないと考えていましたが、同じような価値観を持つ農業者と道内はもちろん全国で出会えたことは、本当にうれしく、励みになりました。

JA 道女協はいま1万3,000人の会員がいますが、私は農業の土台を担うのは女性だと思っています。作物を慈しみ育てるには母性が必要。できのいい子は放っておいても育ち、できの悪い子は手がかかるのも子育てと一緒ですよね。男性には見えない小さなことも、女性には見えることもある。女性がどれだけ頑張るかで、農業の未来も変わってくるはずです。

今回、8月の台風によって農地や農作物に甚大な被害がでたことに、大変心を痛めています。かつて私も水害や冷害でどん底を味わう経験をしたからです。それでも私は、この歳になって「農業をやってきてよかった」と心から思えるようになりました。

農業は最終的には、自分自身との闘いかもしれません。このくらいでいいやと妥協するか、やりぬこうと思うかで、結果は自ずと変わってくるのではないでしょうか。

これからはますます厳しい時代になると思いますが、それでも覚悟を持って農業で生きていこうという若者がいます。だから私たちは、その熱意を汲み取って、若い人たちにツケを残すことなく、希望のある未来を手渡すことが責任だと思っています。