この記事は2024年7月31日に掲載された情報となります。
奈井江町 大関 光敏さん(JA新すながわ)
稲わら処理の実施状況
POINT!
秋の長雨の後でも秋すき込みができるほど乾いた圃場にするため、稲刈りのすぐ後に心土破砕を行い、表面水が抜けやすい状態を作っています。
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降雨が続いても、秋すき込みをすることができたのはどうして?
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圃場の乾き具合によっては秋と春の2回、心土破砕を実施します
6月の気温が高くなり、春すき込みではワキの発生が増えてきたと感じ、10数年前から秋すき込みを行っています。
ポイントは、降雨があっても稲刈りから数日経てばすき込みができる程、乾いた圃場を作ることです。
まず、稲刈りが終わってすぐに心土破砕を行い、表面水が下に抜けていく状態を作ってからすき込みを行います。春先には融雪剤を撒いて、早い時期から土が表面に出た状態に整備。
圃場の状態を確認し、乾いていないようであれば、春にも心土破砕をして速やかな排水を心がけています。
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稲刈りの時期が早まり、すき込み作業にはどのような影響が出ましたか?
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ひこばえ※があったので、窒素が抜けるのを見計らってすき込みを行いました
昨年は猛暑の影響で稲刈りの時期が例年より早く、収穫後、多くのひこばえが発生しました。毎年の土壌の検査・分析によって施肥量を計画しますが、昨年は稲が成長するより先に穂が出ていました。
稲が肥料を吸いきれず、残留した可能性があったため、窒素が抜けるよう、10日ほど待ってからすき込みを行いました。
すき込みは、深く起こすと稲わらの腐熟を進められますが、翌春に圃場を乾いた状態にするため、浅く起こすようにしています。
※刈り取った稲の株から再生した稲
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その他のポイント
● 幼穂の調査を行い、根が弱っていたら中干して酸素を行き渡らせる。
● 稲刈り開始前の朝の時間帯を前日稲刈りした圃場のすき込みに充てる。
※ノウハウは個人の見解に基づくもので一般に該当しないケースもあります。