行ってみてつくる苦労を実感。生産者さん、ありがとう!

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オーセントホテル小樽 和食「入舟」 料理人 吉田 平志郎

オーセントホテル小樽 和食「入舟」 料理人
吉田 平志郎

この記事は2022年4月1日に掲載された情報となります。

2021年の8月、9月に旅行会社JTBの紹介で農家の労働力支援のため、ミニトマトの収穫作業を経験してきました。

その時、店は時短営業を求められ、ぼくたちも厨房に立てない日が続いていました。

そのタイミングでの求人募集に、農業現場で働いたことはありませんでしたが、興味もあり、手を挙げました。

初めにお世話になったのは、仁木町の農家でした。

トマトの採り方を教わり、手元に集中しているうちにどんどん楽しくなっていき、翌日からは「今日の目標は収穫量何キロだ!」と目標を立ててハウスに入っていきました。

ぼくたち料理人にとって食材はキロ単位で注文するもの。

より質の良いものを求めて、つい「もっと色や形がいいものを!」とワガママを言いがちです(笑)。

ですが、こうやって実際に自分が畑に立ってみると、農業の現場がいかに地道な毎日の積み重ねでできているのか、身をもって実感できました。

ヒビ割れを気にしてお客様には出せないものも、実はそのヒビは熟して甘味が増しているサイン。形を変えてソースや煮物にすれば使い道も広がります。

試しにお土産にいただいたトマトを家でケチャップにしたところ、トマト好きの娘が大喜び!

いつか店でもトマトを加工した献立を提案したいと考えています。

後半は別の農家のハウスで作業し、農家ごとにやり方や個性が違うことも学びました。

今回、お世話になった方々のような生産者さんがいなければ、料理は成立しません。

行ってみて初めて農産物をつくる苦労を知りました。

いつもおいしい食材を届けてくださって、本当にありがとうございます。

これからも、どうぞよろしくお願いします!

Profile
1992(平成4)年、小樽市出身。料理人の母親と料理上手の兄弟に囲まれて育ち、小樽工業高校を卒業後、複数の飲食店を経て2012(平成24)年オーセントホテル小樽に和食「入舟」料理人として入社。それまでは苦手だった魚や野菜は食べて克服。先輩料理人である兄の匡助(ただすけ)氏からも指導を受け、一人前の和食料理人として腕を磨いている。今の目標はカウンターでお造りを任されること。