
この記事は2025年6月9日に掲載された情報となります。
ホクレン 農業総合研究所 長沼研究農場
長沼研究農場では、暑熱対策に関する試験や、省力化、良食味を目指した品種改良など、さまざまな試験を実施しています。
今回は「小麦」と「スイートコーン」の取り組みをご紹介します。また、当農場視察のおすすめ時期もお伝えします。
春播き小麦の新品種の最終試験を実施中
畑作物水稲開発課では、生産性や製パン品質に優れるパン用春播き小麦の品種開発を行っています。
「HW10号」は、現在の主力品種である「春よ恋」並みの製パン性を持ちながら、「春よ恋」より全道平均で10%以上収量性が良く、倒伏や穂発芽※に強いことが特長です(品種登録出願中)。
現在、北海道優良品種認定に向けた最終試験(実規模試験)にて、品質の最終確認を行っており、最短で2025年度の優良品種認定を目指しています。
※収穫前の降雨により穂についた子実から芽が出てしまい、収量や品質が低下すること。



※グラフ上の数字は「春よ恋」対比(%)
機械収穫に適性のあるスイートコーン新品種を選定
園芸作物開発課では、野菜類の品種及び栽培技術の開発を行っています。
スイートコーンでは、機械収穫に適した新品種「恵味スタンド88」を選定しました。
農業の大規模化や労働力不足によりスイートコーンの作付面積が年々減少しており、その解決策として収穫作業の効率化や省力化に役立つ機械収穫に着目。
倒伏すると機械での収穫が難しくなることから、耐倒伏性に重点を置いた品種試験を行うことで選ばれた品種です。
2024年度には現地試作が行われ、問題なく機械収穫が可能であったことに加え、子実のサイズが優れる結果が得られています。



視察も受け入れています!
この他にも、長沼研究農場ではさまざまな試験を実施しています。生産者やJAの皆さんが実際の試験状況を見て、営農の参考にしていただけるよう、視察の受け入れもしています。
作物ごとの見ごろ(おすすめ時期)カレンダー(図2)もご活用いただき、ぜひ当農場へお越しください。
