アフリカ布の工房 OdiOdi 小池 佐季子
この記事は2022年12月1日に掲載された情報となります。
私は小さい頃から酪農家に憧れていて、北海道立農業大学校に入学しました。在学中に発展途上国の暮らしに興味を持ち、卒業後、青年海外協力隊でアフリカのマラウイ共和国に行き、牛の人工授精師として活動。そこで、モノを直しながら使い続ける精神と、個性を貫く生き方がいかに豊かであるか学びました。帰国後は、いつか農業に貢献できる仕事をしようと心に留めつつ、もう一つの夢だったデザインの仕事をするため徳島県の企業に就職。その地で服飾デザイナーと出会い、縫製(ほうせい)の技術を習得しました。そのデザイナーの方から受け継いだミシンとアフリカから持ち帰った布で、リメイク事業をスタート。
今年の7月と11月には十勝管内に期間限定ショップを出店し、製品販売のほか、農作業着(つなぎ)のリメイクも行いました。私は学生の頃、より自分らしい柄やデザインのつなぎを着たいと思っていたこともあり、阿寒町で酪農家を営む友人につなぎのリメイクを薦めたのが北海道出店のきっかけです。
アフリカ布は定期的に現地から仕入れ、200種類近くあります。一つひとつ個性的な柄を厳選しているため、注文されるお客様は夢中になって色や柄を選び、オーダーされます。「好きな柄を着ると気持ちが明るくなる」「ここぞという時の勝負作業着に使っている」といった感想もいただいています。今後も誇りあるお仕事をされている皆さんに「自由と活気」を提供できるよう、安全性を保ちつつカスタマイズの可能性を研究していきます。
北海道で農業を学び、そのご縁で得られた経験を活かし、服飾から農業を応援したいと思っています。今後も積極的に出店を企画していきますので、見かけた際は、ぜひお立ち寄りください。
Profile
静岡県生まれ。北海道立農業大学校卒業後、青年海外協力隊の家畜飼育隊員としてアフリカのマラウイ共和国に約2年滞在。帰国後、服飾デザイナーの元で縫製を学び、2016(平成28)年にアフリカ布でバッグや帽子、小物を製作する「OdiOdi(オディオディ)」をスタート。2018(平成30)年には横浜市に拠点を移し、アフリカ布の工房を展開。「OdiOdi」とは現地語での挨拶。馴染みのないアフリカ布を気軽に使ってもらいたいという意味を込めている。