この記事は2019年6月1日に掲載された情報となります。
ホクレン訓子府実証農場 農産技術課では、GAPの具体的な活動や進め方などの情報を集めて伝えるため、2018年からGAPに取り組み、野菜栽培(ほうれんそう)でのJGAP認証を取得しています。取り組むことで業務に役立ったことを紹介します。
ホクレン訓子府実証農場 農産技術課
主幹 佐久間 芳則さん
片付けが作業を効率化
まず、取り組んで効果をあげたのは「片付け」です。今までは、作業道具などをとりあえず棚に納めたという状態。使わない物が混ざり、乱雑な状態でした。そこで、倉庫にどんな道具類があるか確認し、不要なものを処分することから始めました。
スコップなど同じものは重ねて吊るす、こまごましたものは用途別に半透明のケースに入れて保管する、重いものは棚の下の方に置くなど、「どこに」「どのように」収納すれば使いやすいのかを考え、作業の合間を見ては片付けに取り組みました。
時間がかかり大変でしたが、整理整頓して置く場所を決めたことで、使うものを皆が探しやすくなりました。これによって、探す時間や、探すストレスが減り業務効率が上がりました(図1)。
リスクの洗い出しも重要
さらに、GAPの取り組みでは、農作業中に起こり得るリスクを明らかにし共有する活動があります。
当課では、圃場や施設のマップをもとに「ここは車の出入り口なので人と接触する恐れがある」といった危険な場所を確認したり、機械作業では「トラクターやフォークリフトで後退する時は、見づらいので特に危険だ」など、さまざまな作業のリスクを洗い出しました。
その際には一般的に危険なポイントに加え、各自が「ヒヤリ・ハット」した体験も含めて話し合うことで、日常あまり意識しないリスクについて、真剣に考える機会になりました。気を付けるべきポイントをまとめ、それを施設内に貼り出す(図2、3)ことで皆で共有。リスクに対する意識が高まり、安全作業につながったと思います(図4)。
GAPに取り組むことで農場経営に役立つことは他にもたくさんあります。まずは整理整頓や作業のリスクの確認など、すぐにできることから少しずつ取り組むのがおすすめです。
次号からは、食品安全や労働安全等に役立つ、具体的なポイントなどをお伝えします。