この記事は2024年6月3日に掲載された情報となります。
ホクレン 内部統制管理部
食品品質・表示管理課
山田 将崇
JAグループとのGAPに係わる連携や道内のGAP啓発、JAのGAP認証取得・内部監査の支援に携わっている、食品品質・表示管理課の山田将崇さんにGAPの有効性について聞きました。
POINT
• GAPは農業の「質」を向上させるための取り組み
• 生産者それぞれが国際水準GAPと同レベルの取り組みをすることが大切
• GAP指導員やGH農場評価員など人材育成を強化
「GAP」とは良い農業の実践
GAPとは「Good Agricultural Practices」の頭文字で、文字通り訳せば「良い農業の実践」です。
農林水産省は「農業生産工程管理」と表現していますが、要するに作物の栽培や選果、集出荷など㆒連の作業を、それぞれの工程ごとに管理することで、農業のやり方の「質」を向上させていく取り組みのこと。
国際水準GAPは①食品安全②環境保全③労働安全に、④人権・福祉⑤農場経営管理が加わり、五つの分野で構成されています。
JAグループ北海道では以前から「国際水準GAPに取り組む」ことを目指す姿に掲げています。
といっても、第三者の審査を受け「GAP認証をとる」ことではなく、生産者がそれぞれ国際水準GAPと同レベルの取り組みを実践することが目標です。
来年度以降、2027年まで重点項目を決めて、段階的に対応を進めていく計画です。
GAPに関わる人材育成を強化
JAグループ北海道ではそのための人材育成にも力を入れていく方針です。
これまでのようなGAPチェックリストに○×をつけるだけではなく、評価員が出向いて点数化する「GH(グリーンハーベスター)農場評価制度」の導入に向け、JA職員の皆さんを対象にGH農場評価員やGAP指導員の人材育成に力を入れていきます。
講習会やセミナーも開催予定ですので、ぜひ活用ください。
GAPの本質は、よりよい営農活動の実践に向けた経営改善の取り組みです。
認証取得には時間も費用もかかりますが、GAPの取り組みは今日からできる日々の実践。
経営改善のためのツールとして、生産工程の見直しから法令遵守まで幅広いリスク管理に生かしてほしいと思います。