北海道農協青年部協議会
副会長 神尾 誠さん
Profile:1980(昭和55)年、深川市生まれ。稲作農家の4代目。酪農学園大学農業経済学科卒業後、2年間、派遣会社で建設業、土木業、イベントスタッフなどさまざまな仕事を経験。24歳で実家に戻り就農。現在は約27haの農地で、水稲・大豆・花卉(スターチス・シヌアータ)を、両親・弟とともに栽培している。JAきたそらち青年部イチヤン支部の支部長を皮切りに、JA空知青年部連合会の会長を経て、今年4月から現職。妻と1男1女の4人家族。(深川市にある稲刈り後の田んぼにて撮影)
この記事は2018年12月1日に掲載された情報となります。
僕が子どもの頃は稲作に加え羊を飼っていました。羊にエサをやり、鶏の卵を採ってから小学校へ走る、ハイジのペーターみたいな生活だったんです。当時、周辺には農家が5軒あって、仲良く共同作業をしていた仲間もいたのに、次々と離農して今はうち一軒だけ。地域のコミュニティが消えてしまい、やりきれない思いがします。
農家の戸数が減り一戸当たりの面積が広くなったことで、農業者の負担も増大しました。なのに、実際どれだけ働いているか、農業者の労働時間を誰も把握していません。
働きすぎで労働災害に遭う確率も高くなりがちです。僕も農作業中の事故で知人を失っていますが、これからは省力化や安全作業につながるICTをどんどん普及させることで事故を減らし、農業者の命を守る取り組みが必要だと思っています。
同時に、こうした現状を含めて農業のことをもっと多くの人に知ってもらうことも重要だと考えています。だから深川市内の小学生の農業体験にはどんなに忙しくても参加するし、道青協が主催する学校の先生を対象にした農村ホームステイにもできるだけ協力したいと思っています。
道青協のフェイスブックに情報を頻繁にアップしているのも同じ。地元の農業を積極的に発信したいし、ほかの地域のことをもっと知りたい気持ちからです。
今年、北海道の水稲は9年ぶりの不作ですが、冷害はいつか巡ってくるものなので、それほど悲観はしていません。減収にはなったものの、秋が干ばつだった分、水田が乾いていて久しぶりに秋起こしできる。
だから、来年に備えて前を向いて頑張りたい。そして、青年部の米担当として、少しでも米農家さんの力になりたいと思っています。