ホクレン農業協同組合連合会
代表理事副会長 柿林 孝志さん
Profile:1948(昭和23)年、旭川市生まれ。1972(昭和47)年、東鷹栖農業協同組合入組。合併を経て2003(平成15)年、たいせつ農業協同組合に改組。2007(平成19)年の退組後も周囲の薦めで理事に就任。2010(平成22)年、たいせつ農業協同組合代表理事組合長。2012(平成24)年、上川ライスターミナル株式会社代表取締役。他多数の要職に就き、2017(平成29)年、たいせつ農協会長理事、ホクレン農業協同組合連合会代表理事副会長に就任。(鷹栖町の上川ライスターミナルにて撮影)
この記事は2018年2月1日に掲載された情報となります。
実家は米農家で、私が4代目。農業高校を卒業後、研修生としてアメリカの大学・生産者のもとで2年間勉強し、帰国後に東鷹栖農協に入組しました。
以来退組するまでの35年間、ほぼ営農・販売ひとすじです。私が思う営農指導の本質は、生産者の身になって考え、その人に合った最適な方法をともに考えていくこと。
昔の話ですが、青年部に協力してもらい、地域・土壌区分ごとに地下1mの地層がわかる土壌断面サンプル(土壌モノリス)を作って、各農家さんの土づくりの参考にしてもらったこともありました。
平成8年に上川ライスターミナルを立ち上げたときは軌道に乗るまで苦労もありましたが、大きな転機は平成11年。乾燥機をお持ちの農家さんに「半乾」(籾を水分18%まで下げる)の状態で搬入していただくことで、利用率の確保と施設利用料を下げることができました。
そして、これが万全な乾燥調製体制と安定出荷につながる突破口となり、難局を乗り越えることができたのです。
いま、北海道は名実ともに日本屈指の米どころとなりつつありますが、かつては「北海道米はいらない」と面と向かって言われ、悔しい思いをしたこともありました。関係者の方々の不断の努力で食味が増し、北海道独特の「安全・安心」というクリーンなイメージも消費者に支持され、現在は立派な「北海道ブランド」が確立しています。
今後はこのブランド価値を維持・向上させるため道内の水張面積を減らすことなく、生産者、農協、ホクレンのつながりを一層密にしていきたい。
私も先輩方からお声がけいただいて現職におりますが、10年後20年後の北海道の農に貢献できる仕事を残して皆さんにバトンを渡せたら、と思っています。
個人的には農を通じてたくさんの友を得ました。全国にいる彼らに会いに行くのも楽しみです。