学生・福祉など、新しい力で営農を支える
営農を支える多様なチカラ

営農を新たに支える福祉との連携

キーワード:人材確保労働力不足労働力支援労働力確保営農支援

福祉との連携

この記事は2025年10月14日に掲載された情報となります。

北海道農政部

北海道 農政部 農業経営局
農業経営課
農業経営・企業連携サポート室
主幹(経営指導) 髙谷 泰範さん(右)
主任 品田 憲人さん(左)

 

農福連携に興味はあっても、実際、どのように進めればいいのでしょう?また、どんなところに注意すればスムーズに進められるのでしょう。北海道農政部でお聞きしました。

 

POINT01 「農福連携」とは何でしょう?

農福連携は農業分野と福祉分野が連携し、障がいのある方を始め、さまざまな方が農業で活躍できるような機会を創出する取り組みです。

農業側は人材不足を補うことができ、福祉側では、障がいのある方が働く場を得て、社会参加や自信、生きがいを感じることができるなどのメリットがあります。

POINT02 どんな作業をお願いできる?

例えば、ポットに種を一粒ずつ入れる作業や収穫作業などが多いようです。

細かい作業なども丁寧に取り組んでいただいています。大型機械を扱う作業は安全面から依頼していません。

一人ひとりの特性や得意分野に合わせて、作業内容を調整しています。

POINT03 うまく進めるポイントは?

大切なのは環境整備を徹底することです。危険な場所を分かりやすくするなど、けがのリスク対策やトイレ・休憩場所の確保など環境整備が必要です。

人によって得意・不得意な作業があることもご理解ください。

生産者の方は、障がいのある方それぞれの特性や得意分野を理解し、作業を依頼するようにしましょう。

POINT04 業務の指示はどうするの?

生産者は事前に作業内容を福祉事業所の職員に伝え、適した人員を手配してもらいます。

契約前には農家と福祉事業所が現場を確認し、契約書を交わします。

作業現場では、作業者1〜2人につき福祉事業所の職員が1人同行する場合が多く、生産者と作業をする方の間に入ります。

職員の方が臨機応変に対応してくださるので、大きなトラブルは防げます。

POINT05 取り組みたいけどどうすればいい?

まずは、振興局の農福連携窓口にご相談いただければ現場視察や技術支援者の派遣などを案内していきます。

技術支援者は農場に入り、環境整備や作業工程の細分化などを助言。支援者が現場を見て、作業内容ごとに実施可能かどうかを丁寧にアドバイスしてくれます。

始めやすいのは、福祉事業所と契約を結ぶ「請負契約」だと思います。

賃金は、就労継続支援A型であれば必ず最低賃金以上、就労継続支援B型であれば事業所が定めた金額になりますが、目安は最低賃金でしょう。

作業によっては出来高制もあります。賃金や労働条件は契約段階で生産者と福祉事業所が決めます。

畜産では、餌寄せや清掃など機械を使わない作業を依頼することが多いです。

屋内での作業を希望される方には、シール貼りなど事業所内でできる作業を依頼する場合もあります。

相談から受け入れまでの期間は内容次第ですが、早ければ数週間。同じ利用者に翌年も来てもらうことも可能です。

POINT06  迷っている方にメッセージを

農福連携は難しくありません。興味があればまず各振興局に相談してください。

支援制度もあるので取り組みを検討いただければと思います。