パイプハウスにおける降雪・積雪対策について

キーワード:パイプハウス積雪資材情報
この記事は2024年12月25日に公開された情報となります。

資材事業本部 施設資材部 資材課

 

本格的な冬の季節となり、パイプハウスにおける降雪・積雪の対策として以下の点に留意し、豪雪時の被害を最小限に抑えられるようご活用ください。

 

1. ハウス補強対策

積雪によるハウス倒壊の被害を防ぐためは、必要に応じ補強支柱の設置やハウス両肩をワイヤーで引っ張る等の対策が有効です。しかし、補強を施すことで絶対に倒壊を防ぐことができるわけではありませんので、除雪・融雪対策と併せてご活用ください。

(1) 補強支柱

支柱を使用する場合は、写真のように天井直管を支える位置に、3~4mおきに取り付けることを推奨いたします。ただし、地域による積雪量や雪質によってもハウスへの負担は様々ですので、必要に応じて設置間隔を変更していただく必要があります。
ホクレンではハウス補強支柱「ツッパリ」の取り扱いをしております。(写真①・②)「ツッパリ」につきましては取付も簡易的となっておりますので、ご興味のある方はお近くのJA資材課までお問合せ下さい。

(2) ワイヤー設置

図①のようにハウス両肩をワイヤー等で引っ張ることで、屋根積雪によるハウスの広がりを抑える効果があります。

図➀ワイヤー補強

2. 滑雪対策

(1) ネット・外部遮光等の撤去

積雪が予想される場合は、屋根被覆資材の表面に雪の滑落を妨げるような突出物がないかを点検し、特に防風網や防鳥ネットや外部遮光ネット等は滑落の妨げになるため、必ず撤去を行ってください。

(2) 外張りフィルムのたるみ・破れ補修

外張りフィルムのたるみや破れは、雪の滑落を阻害する可能性がありますので、必ず補修してください。また、ハウスバンドのねじれと緩みについても可能な限り修正してください。

 

 

3. 除雪・融雪対策

(1) 外張りフィルム展張中の場合

ハウス内暖房機が設置されている場合は、可能な範囲で室温を高めることで、屋根積雪の滑落を促すようにしましょう。
暖房機が設置されていない場合は、ハウスを締め切って気密性を高め、ハウス内地熱の放射により室温を上昇させることで屋根積雪の滑落を促すようにしましょう。
2重ハウスの場合、内張りフィルムと外張りフィルムの間の温度上昇がしづらくなるため、内張りフィルムは解放しておくことが望ましいです。

(2) 外張りフィルム撤去後の場合

外張りフィルムを撤去しているハウスの場合、ジョイント部分に積雪するため、できるだけこまめに除雪することが望ましいです。また、地面への積雪により脚部パイプが埋没した場合、沈降圧によってパイプの変形の可能性があるため、脚部パイプが埋没しない程度に除雪作業を行うようにしてください。

 

 

4. ハウスビニール被害への支援制度

ホクレンでは、ハウスビニールに被害を受けた生産者への支援制度として、2016年に「系統銘柄ハウスビニール災害見舞金制度」を創設しています。いざという時の助けになる系統銘柄活用をぜひご検討ください。
最後に、豪雪時はどうしてもハウスが心配になると思いますが、吹雪の中での作業は大変危険です。くれぐれも無理をされないようお願いします。

※JA包装園芸資材協会発行 「包装園芸資材通信」2024年11月号 P10~12より一部引用

※JA全農 災害対策マニュアルより一部引用