新技術、実際にやってもらいました!~2023年度施防協モニター試験の結果より

キーワード:BB肥料えこラクドローン施防協モニター
この記事は2024年3月11日に掲載された情報となります。

ホクレン肥料農薬部 技術普及課

施防協試験で取り組んでいる、作業とコストがラクになる「えこラクシリーズ」と、農薬の「ドローン散布」について、協力いただいた生産者に試験後に感想や評価を聞かせてもらいました。

 

1 施防協(施肥防除合理化推進協議会) とは?

JA・ホクレンでは、農業試験場・普及センターと連携して施肥や防除に関する課題解決に取り組んでいます(2023年度実績 施肥課題179カ所、防除課題94カ所)。

 

 

作業とコストがラクになる!「えこラクシリーズ」

えこラクシリーズ

ホクレンでは、令和4肥料年度より環境にもやさしいエコなBB肥料「えこラクシリーズ」の取り扱いを開始しました。

えこラクは、高窒素で省力化に役立つと好評をいただいている「せひラクシリーズ」の特徴に加え、リン酸やカリが蓄積した圃場で、北海道施肥ガイドに基づく減肥ができる肥料です(表1)。

従来のせひラクにもリン酸・カリの低い銘柄はありますが、えこラクは北海道施肥ガイドに基づき、リン酸・カリの土壌分析値が「やや高い」以上の場合の施肥対応に適合した成分を基準にしています。

2023年度は6名の生産者にご協力をいただき、水稲・てん菜・飼料用とうもろこしにえこラクを試してもらいました。

水稲では空知管内の生産者1名に、「試験結果が良く満足です(10a当たり30㎏程度増収)。今後は試験を行ったえこラク銘柄に切り替える」との評価をもらいました。

てん菜では十勝管内・オホーツク管内の4名の生産者に試験をしていただきました。

皆さん収量に違いは感じられなかったとのことで、3名の方はえこラクの使用を前向きに検討していただいています。「慣行肥料より減肥を望める人や、現収量を維持し、肥料コストを抑えたい方にオススメできる銘柄」との意見をいただきました。

飼料用とうもろこしでは、中標津管内の生産者に試験をしていただきました。収穫の際に試験区の草丈が少し小さく感じたとのことでしたが、単年度だと収量への影響が判断できないため来年も試験を継続する考えで、「収量に問題がなければ、肥料コストが下がるので全生産者にオススメできる。特に大口法人ではメリットが大きい」との意見をいただきました。

えこラクを使用することで、慣行銘柄と施肥量が変わることについては皆さん問題なく対応していただき、「最初の設定さえ上手くいけば問題ない」との意見が挙げられました。肥料コスト削減に向け、えこラクの使用を検討してみてください。

 

 

3 農薬の「ドローン散布」

写真1.農薬のドローン散布
写真1.農薬のドローン散布

農薬の散布はスプレーヤを使用するのが般的ですが、近年ではドローンによる農薬散布も注目されています。2023年度ドローンによる農薬散布の試験をしていただいた2名の方にお話を伺いました。

後志管内では、ドローンを所有している生産者に協力をいただきスプレーヤ散布とドローンの比較試験を実施しました(写真1)。大豆のマメシンクイガ防除で試験を行い、使用した薬剤は表2の通りです。

表2.大豆マメシンクイガ防除の試験方法
表2.大豆マメシンクイガ防除の試験方法


この方は、ドローン散布をホクレンRTKを用いた自動航行機能を利用して実施。スプレーヤでの作業と比べて、「大面積、変形圃場だとドローンでの作業のほうが有利」と感じたとのことでした。作業性は使用液量も影響し、「度0.8L/10a散布に慣れてしまうと、量を多く使用する薬剤は作業しづらく感じる」とのご意見をいただきました。
また、ドローン散布という選択肢があることが、作業計画を立てる時の安心感につながったとのことでした。

釧路管内では、飼料用とうもろこしのすす紋病防除で2名の方にドローン散布を試していただきました。
すす紋病は、発病適温18〜20℃の冷涼地に発生が多くみられる葉枯性の糸状菌病害です(写真2)。病斑は主として葉に生じ、細長い状の大型病斑となります。道内では、おおむね8月上旬頃に初発し、その後、曇天・降雨が多いと多発、が激しい場合は収量が大きく減少する場合もあります。

写真2.飼料用とうもろこしのすす紋病
写真2.飼料用とうもろこしのすす紋病

 

すす紋病の防除適期である8月以降は飼料用とうもろこしの草丈も高く、スプレーヤでは圃場内に入れないため従来は防除できませんでしたが、ドローン散布により防除が可能になりました。薬剤はチルト乳剤25を使用、希釈倍率は16倍、使用液量は1.6L/10aです。

防除効果について、生産者からは「他の無防除の畑よりは少し抑えられていた」「もともと無防除だったので効果を感じている」との意見をいただきました。次年度以降のドローン防除について、1名は「全面積の実施を継続したい」、もう1名の方も「検討したい」とのことでした。両名共にすす紋病対策に困っている人にはオススメの技術と評価していただいています。

今回は、新しい防除手段であるドローン防除を試した事例をご紹介しました。

なお、飼料用とうもろこしのすす紋病試験の散布作業には、ホクレンのドローン請負散布をご利用いただいています。ドローンをお持ちでない方も、ドローン請負散布から検討してみてはいかがでしょうか。興味がありましたら、お近くのJAにご相談をお願いします。

 

えこラク紹介リンク

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