この記事は2018年4月1日に掲載された情報となります。
ホクレン|肥料農薬部|技術普及課
POINT!
施防協の試験結果から、省力化につながる技術を紹介します。
・「野菜に対する肥効調節型肥料の効果」
・「水稲除草剤分野における省力化技術」
JA・ホクレンでは、施肥防除に関する課題解決に向け、農業試験場・普及センターなどと連携し、全道各地区に「施肥防除合理化推進協議会(施防協)」を組織し、各地区の実情に応じた新資材・新技術の確認試験を行っています。
特に全道的な普及が期待されるものは「共通課題」として、全道各地で試験を実施しています。
今回は、その中から省力化につながる技術を紹介します。
1.野菜に対する肥効調節型肥料の効果
野菜栽培では、作物の生育に合わせた分施(標準量を数回に分けて施用)や追肥(標準量に上乗せして施用)が一般的ですが、労働力不足や営農規模拡大、他作業との競合から、分追肥の省力化が求められています。
そのため作物の養分吸収パターンに合わせて肥料の効く速さを調節した、肥効調節型肥料による分追肥省力効果を確認しました。
(1)試験方法
試験区:被覆肥料(セラコートR)入りBB肥料(図1)、または硝酸化成抑制材(Dd・ASU)入り化成肥料(図2)
慣行区:基肥+分施
(2)試験結果
試験区の収量は分追肥を実施した慣行区とおおむね同等でした(図3)。
各肥効調節型肥料の活用により、分追肥の省力化が期待できます。肥効調節型肥料の効果は地域の気象・土壌・栽培条件等により異なりますので、今後も地域の課題解決に向けた試験を継続予定です。
2.水稲除草剤における省力化技術
水稲雑草防除は、本田での防除となることから労働負担が大きくなっています。そこで、除草剤散布の省力化が期待される「豆つぶ剤」(図4・5、表1)のひしゃく散布の作業性と効果を確認しました。
(1)試験方法
供試薬剤(ひしゃく散布):ヤブサメ豆つぶ250、またはトップガン250グラム
対照薬剤(手振り散布):スマートフロアブル、パンチャーフロアブルなど
(2)試験結果
ひしゃく散布は、慣行の手振り散布と比較すると作業時間が3分の1程度に軽減され、省力性が確認できました(図6・7)。除草効果は慣行と比較して同等でした。