体調を整えるサプリメントの活用方法

体に必要な成分を手軽に補い、健康維持を助けるサプリメント。効果を出すには、正しくとることが大切です。安心で効果的なサプリメントのとり方を、JA北海道厚生連医薬事業部の谷川課長と、薬剤師の田村さんにお聞きしました。

この記事は2022年10月1日に掲載された情報となります。

北海道厚生農業協同組合連合会
医薬事業部配置薬課
課長　谷川和広さん（左）
薬剤師　田村俊彦さん（右）

大きく三つに分けられるサプリメント

「健康食品・サプリメントの定義は明確に決まっていません。健康食品や飲料水、医薬品と類似した錠剤・カプセルなどの商品があります。一般的にはトクホのように健康効果などの表示ができる商品とできない商品があります（図1）」と、薬剤師の田村さん。サプリメントを役割ごとに三つに分類し、次のように解説してくれました（図2）。

「体に必要な成分が含まれる『ベース』。美容や健康の手助けをする『ヘルス』。最後は必須ではないもののあれば役に立つ『オプショナル』。特徴を知ることで自分が必要としているサプリメントを見つけやすくなります」

食事でとれない栄養を補う

高齢化により食事の量が減る、炭水化物中心で偏食がちという人が増えている中、サプリメントを食事の補助として使ってほしいと田村さんは提案しています。

「例えば、野菜からの鉄分は吸収しにくいので、ビタミンCのサプリメントと一緒に補うのが良いでしょう。あくまでサプリメントは『食事を補う』もの。サプリメント主体の生活ではなく、必ず食事とのバランスを心掛けてください」

　野菜不足ならばビタミン、食事量が減っていればたんぱく質や栄養補助食品など、自分の健康維持のために必要な成分をサプリメントで補給しましょう。

「サプリメントはすぐに体調を良くするものではありません。一カ月ほど続けてみて『最近調子がいいな』と思えたら、効いている証です」

アレルギーなどに注意

健康のため手軽に使えるサプリメントですが、注意も必要です。

「カプセルの主成分であるゼラチンが原因でアレルギー症状が出たり、腎臓や肝臓の衰えが代謝を悪くし副作用につながったりすることもあります。こうした副作用には十分注意してください。飲み方も大切です。栄養の吸収を妨げないため、お茶やコーヒーではなくお水で飲みましょう。処方薬との飲み合わせについては必ず医師や薬剤師に確認してください。人工甘味料を使用したサプリメントの場合、人工甘味料の過剰摂取により甘味になれてしまい、甘いものをより多くとってしまうことで、肥満の原因になることもあります。体調を見ながら正しくサプリメントと付き合いましょう」