事故への備えは大丈夫?

キーワード:農作業事故

できることなら事故は未然に防ぎたいものですが、もしもの事態に備えておくことも大切です。万が一のリスクに備える方法についてJA共済連にお聞きました。

この記事は2021年8月1日に掲載された情報となります。

JA共済連北海道 普及部長 越湖 俊一さん

JA共済連北海道
普及部長
越湖 俊一さん

作業事故は推計1日200件

農林水産省が公表した2019年の農作業中の死亡者数は281人。しかしJ‌A共済連北海道の越湖俊さんは、これを「氷山の角」と話します。

「JA共済の共済金支払いデータから分析すると、全国で発生した農作業事故は年間約7万件。毎日200件近く発生していると推測されます※」

そうした不測の事故に備えるのが共済や保険です。通常、業務上のけがや死亡等に対しては国の労災保険の制度がありますが、農業の個人経営の場合、雇用が5人未満だと労働基準監督署への届け出が義務付けられておらず、労災に加入している人はごくわずか。加入していても給付までに時間がかかり、生活資金が不足する恐れもあります。そのため組合員やその家族に生じる経済的な損失を補い、お互いに助け合う仕組みが「共済」です。

※2019年の死亡事故数(281件)に加え、共済金の支払いデータから分析した農作業事故の発生状況
リスク診断
リスク診断 農業を営むうえでのリスクを診断できます。具体的な備え方を紹介しています。JA共済のサイトでどなたでも利用できます。 https://nougyoushindan.ja-kyosai.or.jp

定経営を末永く続けるために

JA共済では「ひと・いえ・くるまの総合保障」を提供していますが、加入者自身が契約内容をすべて覚えておくのは難しいため、定期的な点検をお願いしています。例えば、トラクターの更新時に車両入替の手続きを忘れていたり、保障に加入しているつもりが加入していなかったりするケースもあるからです。

こうした事態を防ぐためJA共済で取り組んでいるのが、3Q(サンキュー)訪問活動です。

「専門知識を持つライフアドバイザーがお宅を訪問し、請求忘れや保障内容を点検。ライフスタイルの変化に応じた提案も行います」

 近年は法人化や6次産業化などで農業経営をとりまくリスクが増大しています。JA共済に該当する仕組みがない時は、連携する「共栄火災」の保険商品を紹介して、幅広いリスクをカバーできるようにしています。

「共済の使命は、有事の際、万全な保障提供により安心していただくこと。すき間がないようご提案を続け、組合員の皆さまの信頼に応えたいと思います」と越湖さん。コロナ禍で思うように訪問活動ができていませんが「どんな保障が足りていないのかをチェックするリスク診断も行っていますので、ご希望の方はJAへ気軽にお問い合わせください」と呼びかけています。

JA共済アプリ
JA共済アプリ

スマートフォンにアプリをダウンロードして登録すると、加入状況をいつでも確認できるほか、緊急時にカメラやGPSを利用してJAへ事故連絡ができます。
詳しくはJAへお問い合わせください。


農作業中のけがに備える

普通傷害共済

普通傷害共済

本人が農作業中や日常生活における不慮の事故で負傷された場合の治療に備えます。治療または施術を受けている期間中であっても共済金を受け取れます。

 

医療共済メディフル

医療共済メディフル

2021年4月より医療共済がリニューアルし、農作業中のけがはもちろん病気も含め、入院した場合の費用や、その前後の通院、在宅医療などに備えができます。日帰りでも入院と判断されれば保障の対象となり、まとまった一時金が受け取れます。また、一定期間健康であった場合には健康祝い金を受け取れるプランも選択でき、自由に保障を設計することができます。


自動車事故に備える

自動車共済

自動車共済

トラクターや軽トラックなど農業用の自動車の事故による賠償やけが、修理などに備える共済です。事故の相手方への賠償はもちろん、契約者本人や家族のけが、車両の修理など、トータルに保障します。


就農不能に備える

生活障害共済ささエール

生活障害共済ささエール

けがや交通事故で身体障害状態となり、今まで通り働けなくなった時、収入の減少に対する備えです。まとまったお金を受け取る一時金型と、継続的に受け取る定期年金型の二つのプランがあります。


万が一の場合に備える

終身共済

終身共済

自分に万が一のことがあった時、残された家族が安心して暮らせるよう生活資金などへの備えになるのが「終身共済」です。経営者死亡時に事業継続や承継資金に備える「定期生命共済」もあります。