北海道の「なす」を産地化する 新時代の幕開けです

キーワード:スマート農業なす道産農作物

JA道央長なす生産部会 部会長 萩原 利彦(JA道央)

JA道央長なす生産部会
部会長 萩原 利彦(JA道央)

この記事は2025年9月19日に掲載された情報となります。

 

江別市の本格的な長なす栽培は2022年から始まりました。石狩農業改良普及センターや江別市役所、JA道央、ホクレンなど関係各所の皆さんにご支援ご協力をいただきながら、「PC筑陽」という品種の栽培に生産者有志が意欲的に取り組んだ結果、収穫量が12t/10aという本州並みの実績を出せるようになり、今年3月にはJA道央長なす生産部会が設立されました。

メンバーは江別、恵庭の生産者9戸で構成されており、全員が土壌障害のない隔離床養液栽培技術と環境制御装置によるスマート農業を導入しているところが大きな特徴です。

部会には機械に詳しい人などもいて、栽培技術を含めみんなで教え合いながら取り組んでいます。徐々に栽培データやノウハウが蓄積されてきて、今後はJA道央のブランド野菜へと発展させる動きも進んでいます。

ここから先は私事ですが、数年前に両親の長寿祝いをして、自分も楽しかったですし親もとても喜んでくれました。

その笑顔を見て、これから更に老いを重ねる親がいつか畑を離れる時に「農業をやって良かった」と思えるような負荷をかけない環境づくり、スマート農業の導入や栽培品目の集約化を進めたいと切実に感じました。

そのタイミングで江別の長なす栽培が始まり、先輩たちが着実に成果を残してきてくれたことに背中を押され、我が家でも取り組むようになりました。

我々部会のように長なすを作る人、その支援をする人、流通する人、それを食べてくれる消費者の方々を含めた全員が「北海道のなすを産地化する」という新時代をつくるメンバーだと思っています。

この幕開けの仲間の輪をこれからもっと大きくしていきたいです。

 

Profile:1984(昭和59)年生まれ。江別市出身。北海道浅井学園大学(現・北翔大学)で心理学を学んだ後、実家のはぎわらファームに就農し3代目に。両親、弟、妻の知世さんと共に水稲とブロッコリー等の野菜を栽培。2024年から長なす栽培に取り組み、現在はハウス6棟に拡大。2025年3月に、新たに設立された JA道央長なす生産部会の初代部会長に就任。4児の父。写真は知世さんと一緒に撮影。