省力化・コスト削減<園芸>

「うぃず One」を用いたトマト2本仕立て栽培法によるコスト削減!

キーワード:うぃずOne大玉トマト栽培隔離床養液栽培システム

稲作生産者Cさんのお悩み

  • 水稲の育苗が終わった後、使っていないハウスがもったいない。有効活用して何か始めたいけど、何かいいものありますか?

「うぃず One」で遊休ハウスを有効利用

 

  • 水稲の育苗が終わった後、使わないハウスがありまして。有効活用したいと思っているんです。

  • 育苗期間はハウスを使用するから設置、移動が簡単にできて導入コストが低いものがいいですよね。

  • そんな都合のいいものがあるんですか?

  • 「うぃず One」を用いたトマト栽培がお勧めですよ。「うぃず One」って知ってますか?

  • 水稲一筋なので…。トマト栽培は自分で食べる分を作ったことがある程度であまり詳しくないんです。

  • 「うぃず One」は、JA全農が開発した隔離床養液栽培システムです。水稲育苗ハウスの未使用期間や、使われていない遊休ハウスを有効利用し、トマトなどの園芸作物を栽培するシステムです。近年は、連作による塩類集積や土壌病害への対応としても産地で活用されています。「うぃず One」は、発泡スチロール箱の栽培槽を用いた隔離床養液栽培で、設置・撤去も比較的簡単なシステムです。

混入機
  • コンパクトで設置しやすく、電源も不要な点も魅力です。

  • 大規模な設備じゃないのがいいですね。

写真1.ういずOne全体
写真1.ういずOne全体

 

発泡スチロール
  • 発泡スチロール箱の栽培槽で栽培するから設置や移動が簡単だね。

導入のハードルが低い「うぃず One」を用いた大玉トマト栽培に注目!

 

  • 「うぃずOne」を使った栽培方法にはどんなものがあるのですか?

  • 「うぃずOne」を用いた大玉トマト栽培とミニトマト栽培について、生育ステージごとの適切な給液方法などが定められています。また、大玉トマト栽培ではわき芽を取って1本仕立てにするのが一般的ですが、側枝を伸ばして2本仕立てで栽培する技術も道総研花野菜技術センターで開発されました。

  • それなら栽培に使う苗と栽培槽の数を減らすことができますね!

  • その通りです!1本仕立てと面積当たりの立茎数は同じですが、発泡箱と苗の数が半分で済むので資材のコストが下がります。

  • 収量はどんな感じでしょう?

  • 裂果しにくい品種「麗月」を用いた栽培で収量を調査したところ、1本仕立てと同等以上の良果収量が得られました。大玉トマトの養液栽培を低コストで導入でき、栽培管理が簡単なので労力をそれほどかけずに取り組むことができます。

表1. 作型表(地独)北海道立総合研究機構提供

表1. 作型表

  • 側枝を伸ばすため慣行より1週間程度早目に播種します。

苗の摘心
苗の摘心(地独)北海道立総合研究機構提供

 

ういずOne定植
●定植

 

図1.「うぃずOne」を用いたトマトの2本仕立て栽培法(地独)北海道立総合研究機構提供
2本仕立ては1本仕立ての半分の苗数と箱数でコスト削減!(※2本仕立ての1株あたりの給液量は1本仕立ての2倍量です)
図1.「うぃずOne」を用いたトマトの2本仕立て栽培法(地独)北海道立総合研究機構提供

 

図2.「うぃずOne」を用いた1本仕立てと2本仕立ての収量(品種:麗月)(地独)北海道立総合研究機構提供
図2.「うぃずOne」を用いた1本仕立てと2本仕立ての収量(品種:麗月)(地独)北海道立総合研究機構提供
  • 資材コストが下がり、良果収量がアップしました!