2025年 営農のポイント 畑作

キーワード:2025年営農のポイントきたほなみコナヒメコムギ縞萎縮病てん菜営農のポイント
この記事は2025年4月1日に掲載された情報となります。

北海道農政部木村篤さん

北海道農政部 生産振興局技術普及課
主査(普及指導)(農業革新支援専門員)
木村 篤さん

 

ポイント
❶【麦類】小麦の赤さび病対策は多発傾向に対応した防除対策を
❷【麦類】【新品種】コムギ縞萎縮病抵抗性品種「きたほなみR」
❸【豆類】菜豆は栽培時期、施肥を見直し高温対策
❹【豆類】マメノメイガなど飛来性害虫に注意
❺【馬鈴しょ】「コナヒメ」は疎植と基本の土づくりが重要
❻【てん菜】てん菜は引き続き褐斑病の適正防除を

 

ポイント❶【麦類】
小麦の赤さび病対策は多発傾向に対応した防除対策を

 

写真1春まき小麦の止葉に進展した赤さび病の病斑
写真1.春まき小麦の止葉に進展した赤さび病の病斑。
    (道央地方A地域 2024年7月中旬撮影)

 

高温により増えている小麦の赤さび病(写真1)は、「多発傾向に対応した秋まき小麦の赤さび病防除対策」(令和6年北海道指導参考事項)に基づいて防除した結果、前年と比べ被害が減少した地域もありました。

しかし、それまで警戒していなかった一部の地域では、秋まき小麦だけでなく、春まき小麦でも被害が見られ、収量・品質の地域間差、圃場間差にも影響したと思われます。圃場をよく観察し、発生状況に応じた赤さび病の防除が重要です。

また、近年、秋が高温になる中、秋まき小麦の播種後に、茎数過多になっている圃場が多く見られています。

適期適量播種や、その年の気温と生育状況に合わせた適正な窒素追肥による茎数・穂数管理、適正な輪作などが重要です。

ポイント❷【麦類】【新品種】
コムギ縞萎縮病抵抗性品種「きたほなみR」

2025年に北海道優良品種として認定された「きたほなみR」は、現在の秋まき小麦の主力品種「きたほなみ」と同等の収量性・品質でありながら、近年道内に発生が増えているコムギ縞萎縮病に抵抗性を持つ新品種です。

今後、秋まき小麦の安定生産に寄与する品種として期待されています。

 

写真2コムギ縞萎縮病発⽣圃場での草姿抵抗性を発揮
写真2.コムギ縞萎縮病 発⽣圃場での草姿。抵抗性を発揮。

 

ポイント❸【豆類】
菜豆は栽培時期、施肥を見直し高温対策

菜豆は高温や少雨の影響で子実の肥大が緩慢となり、子実よりも茎葉の生育が旺盛となった結果、葉落ち不良が発生して品質が低下する傾向にあります(写真3)。

 

写真3菜豆(金時豆)の葉落ち不良
写真3.菜豆(金時豆)の葉落ち不良(2024年8月28日撮影)。

 

対策としては、播種を長くて2週間ほど後にずらすことで、子実肥大の時期と暑さのピークが重なることを避けることができます。

また、菜豆は多肥によって増収する場合がある半面、過繁茂により葉落ち不良を招くこともあるため、土壌及び作物栄養診断に基づいた施肥対応を行いましょう。少雨によるストレスを緩和できる基本の土づくりも重要です。

ポイント❹【豆類】
マメノメイガなど飛来性害虫に注意

2023年に道内の広い地域で被害をもたらした「マメノメイガ」は、発生生態の解明と効果的な薬剤防除法の開発が待たれます。

近年は、他にも突発的な飛来性害虫の発生が見られるため、北海道病害虫防除所の予察情報を参考に早期発見と早期防除を行ってください。

 

写真4マメノメイガの幼虫(左)とマネノメイガによる莢(さや)被害(右)
写真4.マメノメイガの幼虫(左)とマネノメイガによる莢(さや)被害(右)。

 

ポイント❺【馬鈴しょ】
「コナヒメ」は疎植と基本の土づくりが重要

でん粉原料用馬鈴しょの主力品種「コナヒメ」は、従来品種の「コナフブキ」に比べて葉面積指数(LAI)が高く、茎葉が繁茂することで受光態勢が悪化し、収量減の原因となっています(写真5)。

 

写真5コナヒメ(左)とコナフブキ(右)の草姿
写真5.コナヒメ(左)とコナフブキ(右)の草姿。
(道総研十勝農業試験場パンフレットより)

 

てん菜後作などにより窒素供給力の高い圃場では、「コナフブキ」と比べ2割程度疎植(3,700株/10a程度)にして葉面積指数を適正にすることで増収できます(令和6年北海道指導参考事項)。

なお、馬鈴しょは高温や少雨に強い作物ではないため、健全な生育を確保するには基本の土づくりが重要です。

ポイント❻【てん菜】
てん菜は引き続き褐斑病の適正防除を

昨年は褐斑病の初発が早く、高温・多湿で多発した2023年ほどではなかったものの、圃場や品種によっては多発しました。一方、マンゼブ剤を基幹とした防除は効果を発揮したため、
①発生初期の徹底防除
②適正な濃度・水量での薬剤散布
③適切な防除間隔の遵守
④抵抗性品種の利用
以上の4点に留意しながら、収量、糖分の向上を図りましょう。
また、てん菜は施肥量が多く、化学肥料の価格が高騰している現在はコスト削減の観点でも、土壌診断に基づき北海道施肥ガイドなどを参考にして適正な施肥を行いましょう。

 

写真6てん菜の褐斑病が発生した圃場
写真6.てん菜の褐斑病が発生した圃場。