この記事は2025年1月31日に掲載された情報となります。
カテゴリー:動画の提供
実施年度:2023年度
対象:JA標津、JA中標津、JAけねべつ、JA中春別、JA道東あさひ
実施:中標津 支所営農支援室
協力関係機関:北海道酪農検定検査協会
POINT
●従業員が作業の目的を理解することでやりがいが向上し、従業員の定着につながる。
●従業員への指導に動画を活用すると教育効果が大きい。
作業の指導ができないと従業員の離職につながる
北海道農業での人材不足は深刻です。各牧場は新規の人材を獲得しているものの、牧場作業の伝達は口頭や模範作業を見せるだけの場合が多く、㆒度の説明で全てを理解することは難しいと言えるでしょう。
牧場主や先輩従業員に業務内容を改めて確認すること自体、経験の浅い従業員にとっては特にハードルが高く、聞かれる側にとっても拘束時間が増えてストレスになることもあります。
理解が不十分なまま作業を行うと、ミスが増え、生産性の低下につながります。それだけでなく、牧場主などからの注意が重なり、離職につながることもあるでしょう(表1)。

動画を活用した指導で現場の負担を減らし、正しく伝える
搾乳手順についてはインターネット上にアップロードされている動画があるものの、酪農場ではインターネット環境が整っていない地域もあり、モバイル通信の圏内であっても通信量の増大につながってしまい、気軽には閲覧できないような状況も多いのが現状です。
データでも提供できる搾乳手順動画
こうした状況の改善に向け、訓子府実証農場では中標津支所営農支援室の監修により、実証農場の搾乳手順を例に、工程の順番と、それぞれの工程のポイントについて解説した動画を作成しました。
この動画は自分の好きなタイミングで搾乳のポイントを復習することができます。インターネットの環境が整っていない地域でも閲覧できるようにデータでの配布も可能なので、通信量を気にせず視聴できます(表2)。

動画を用いた搾乳手順などの指導は、酪農場の作業精度向上や従業員の定着に効果が見られ、実際に動画を活用したJAから「酪農場の従業員だけではなく、酪農ヘルパーや修学旅行生の受け入れの時などにも活用できそう」との声をいただいています(表3)。

外国語版の作成も行いより活用しやすい作業動画へ
現在、搾乳手順の動画はアグリポートチャンネル上で限定公開しています。また、営農支援室に問い合せいただければデータでお送りすることも可能です。JAだよりにも掲載し、周知を図っています。
現在は外国人労働者向けのインドネシア語版も作成中です。編集が終わり次第、アグリポート誌面、Web上で告知いたします。