この記事は2024年1月17日に掲載された情報となります。
「現場で使える!マニュアル講座」の3回目は、ホクレン訓子府実証農場 農産技術課で使っている作業手順書からマニュアル作成のポイントを解説します。これは訓子府実証農場で作付けしている品目別(秋播き小麦、直播てん菜、馬鈴しょ、大豆、小豆)に作成され、誰でも、いつでも作業が分かるようにまとめた手順書です。
※作業手順書の内容には、個人情報も記載となっていることから、手順書から抜粋し解説します。ご了承ください。
-
現場で役立つものになるよう、マニュアル博士がしっかり解説します!
-
博士の助手です!初心者の私と一緒にマニュアルを学びましょう!
POINT1:全体の作業スケジュールがあると分かりやすい
-
いろいろな作物を作付けしていると、いつ、どの作業をするか忘れてしまうこともありますね。
-
年間作業スケジュールを作っておくと全体像が把握でき便利なんだ。追肥や病害虫対策、土壌分析など作業管理ができるよ。
-
品目別に年間作業スケジュールを作っておくと、どの時期に作業が重なっているのか分かるので、効率的な作業体系が組めそうですね。
POINT2:写真や図を付けるのにこだわり過ぎない
-
作業マニュアルは写真や動画、圃場の地図と細かい情報があった方が、絶対に良いですよね。
-
写真や図がある方が分かりやすいけど、最初から完璧を求めようすると、マニュアルを作ることが目的になってしまう。マニュアルは、伝えたいことが相手に伝われば良く、文字だけでも良いのだよ。
-
たしかに、文字で記載されていても、ポイント箇所には下線があり内容はしっかりと伝わりますね。
POINT3:具体的な数字を書こう
-
この作業手順書には数字が多く書かれていますね。
-
よく気が付いたね!作業を進める上で、数字で書くことが大切なのだよ。人によって感覚が異なるからこそ、共通の指標として数字で作業時間や人工などを書いておくのが大事だね。
POINT4:過去の実績は参考になる
-
追肥は毎年欠かせない作業となっています。
-
毎年の定例作業は過去の実績をまとめておき、作業手順書に書くと便利だね。例えば、その年の生育状況も記録しておくとより良いよ。
-
圃場別の栽培実績や作柄傾向もあると、次年度以降、役に立ちますね。
POINT5:機械操作は視覚で伝えよう
-
初めて機械に触れるので不安です。
-
機械操作を不安に思う従業員の方は少なくないよ。どのスイッチをONにするかなどは、写真を使うと伝わりやすくなるね。
-
写真とあわせて、具体的な操作内容が手順書にあるとより分かりやすいですね。
POINT6:病害虫対策は具体的に書くと良い
-
病害虫の発生は収量に直結する。万全の処置を講じるためにも、具体的に記述すると良いね。
-
昨年の傾向や、使用する剤の種類など具体的に書かれています。
マニュアル作りの第一歩は「作ってみること」です。全体の栽培スケジュールを箇条書きにしてみる、一つの作業工程から作ってみるなど、小さな一歩から始めることが大切です。一歩一歩の積み重ねから、より良いマニュアルへ着実につながっていきます。