ホクレン肥料農薬部 技術普及課
この記事は2022年4月1日に掲載された情報となります。
生産者モニター試験とは?
JA・ホクレンでは、農業試験場や普及センターなどと連携し、全道各地区に「施肥防除合理化推進協議会(施防協)」を組織し、施肥や防除に関する課題解決に向けた現地試験に取り組んでいます(施肥課題145カ所、防除課題135カ所〜2021年度実績)。
現地試験の結果は、チラシやアグリポートなどでお伝えしてきましたが、ホクレンでは、今まで以上に生産者の皆さんに役立つ情報を提供するため、こうした情報に加え、生産者が実際に使ってみた感想や評価をお伝えする、生産者モニター試験の取り組みを2022年度から開始しました。
今年のモニターとなっている方には、施防協で確認した資材を自分の圃場の一部で実際にご使用いただき、生育の様子や収量など、その状況を確認しながら、試験資材の効果を見て分かる範囲で判定していただきます。途中経過や結果は、ホクレンインフォメーションや本誌でも報告する予定です。
2022年度は、新規に取り扱いを始めた「バイオスティミュラント資材」と、作業の省力化が期待される「水稲除草剤の水口施用」に取り組みます。
❶バイオスティミュラント資材の効果確認「カネカ肥料W2」
バイオスティミュラント資材とは、植物に対する非生物的ストレスに起因するダメージを軽減し、健全な生育を促す資材です。
植物は非生物的ストレス(高温や低温、乾燥など)に遭遇すると、活性酸素が体内で発生しダメージを受けます。そこで代謝により活性酸素を除去するのですが、この時、酸化型グルタチオン(GSSG)が発生し、これが”信号”となり、健全な生長を維持するための各種代謝が活性化することが知られています。
バイオスティミュラント資材の一つである「カネカ肥料W2」は、ストレス遭遇前にGSSGを植物に与えることで、”信号”をあらかじめ発動させます。これが実際のストレスへの”予防接種”となって、ストレスの予防・低減効果および光合成等の各種代謝維持効果を誘導し、植物が本来持つ力を引き出すことが期待できます。
今年は、モニターの方に馬鈴しょでの塊茎数増加や塊茎肥大効果、大豆での莢数増加や結実充実、子実肥大効果が現れるかお試しいただきます。
❷水稲除草剤の水口施用「ジャスタフロアブル・エンペラー豆つぶ・コメット顆粒」
水稲除草剤の省力化技術は多々ありますが、水口処理は最たるものの一つと言えるでしょう。特別な散布器具は必要ありません。水口に薬剤をセットしたら、あとは水を入れるだけ。しばらくの間、湛水状態を保てば処理層が出来上がります。
とは言え、初めて使う時には、圃場全体に効果が現れるか心配ですよね?今年はモニターの方に水口処理を実践していただき、本当に圃場全面の雑草を防除できるかお試しいただきます。
ホクレンではモニター試験の取り組みで、資材の評価について使用者の生の声をお届けしていきます。お楽しみに!