この記事は2024年2月1日に掲載された情報となります。
北海道指導農業士協会 副会長 和﨑 陽一さん( JAきたみらい)
Profile:有限会社和﨑農場 取締役、北海道指導農業士協会・副会長、
北見地区指導農業士・農業士会 顧問、オホーツク管内 指導農業士・農業士会 顧問。
家族は妻と両親、3人の子ども、2匹の愛猫。
写真のお気に入りの看板は、娘さんがデザインし2023年11月に立てたばかり。
「農家は経営者でもある」。地域の生産者へ向け経営管理などの講演を行っている和﨑さんは、「家族経営が日本の農家の強み」と話します。
営農規模や繁忙期のスケジュールなどについてお聞かせください。
和﨑:作付けは、種馬鈴しょ、小麦、てん菜の畑作3品を各6haの合計18ha。働き手は夫婦と85歳になる父の3人で、春先は数名のパートさんをお願いしています。うちは、島根県から入植してきた4代目。規模としては小さい方ですが、自分のできる範囲で無理せずにやっています。
繁忙期だけでなく毎日必ず、過去2年分の農業日誌を見て注意事項を確認しながら1日のスケジュールを立てます。防除のタイミングや薬剤の選定には天気予報やJAからの情報なども参考にします。常に心掛けていることは、作業が予定より早く終わったら、空いた時間で何ができるかを考える、ここが大事。そして、効率的な時間配分と早めの対応、基本技術と生育状況に合わせた適期作業です。
北海道指導農業士としての活動やモチベーションの源は?
和﨑:農家が自らの経営状況を把握することの大切さを講習会などを通して伝えています。私は日本の農業の強みは「家族経営」だと考えています。つらいことも家族で乗り越えようと思える団結力、これが基本になる。うちも家族で経営状況を共有できたことで、大晦日に「苦しいこともあるが、来年は頑張ろう」と話し合え、同じ方向を向くことができました。今では、妻に「今年のお父さんのタバコ代は…」と痛いところを突かれたりしますが(笑)。「帳簿をつけるのが面倒だ」という声も多く聞かれますが、今は便利なソフトがあるので、ぜひ、挑戦してほしい。自分の農場の経営状況を数字で見ることで多くのことが確認でき、経営改善にもつながります。
モチベーションの源も家族です。特に妻は一番の協力者であり理解者。日々の出来事も共有し、パートナーとして大切にしています。なので、「推し活」にも「どんどん行ってこい!」と快く送り出していますよ(笑)。娘がデザインしてくれた農場の看板も大のお気に入りです。
道内の生産者に向け発信したいことは?
髙橋:農政運動が重要な局面を迎えている中、畜産、畑作、稲作といった農業だけでなく、林業や漁業も含めたオール北海道としてのビジョンや行動が必要ではないかと思っています。そのためにも、横のネットワークを強化し情報交換をすることが重要。特に若い人には、いろいろな所に顔を出してチャレンジしてほしい。
広い視野を持ち、人との出会いを大切にして自ら行動することで、チャンスが生まれ思わぬことにも気付けます。私も先人が培ってきた伝統・技術を次の世代につなげるためにも、まだまだ頑張っていきたいですね。