この記事は2023年7月25日に掲載された情報となります。
「人によってやり方が違う」「〇〇さんはこうやっていた」など、生産現場でよくある話ですよね!今号から「現場で使える!マニュアル講座」と題し、作業の偏りやヌケ・モレを防ぐためのマニュアルの作り方について、3回にわたりマニュアル博士が解説します。初回はホクレン訓子府実証農場の乳牛部門(飼養頭数約320頭)で実際に活用している「マニュアル」を事例に、作り方のポイントを紹介します。
※SOP:Standard Operating Procedures の略
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現場で役立つものになるよう、マニュアル博士がしっかり解説します!
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博士の助手です!初心者の私と一緒にマニュアルを学びましょう!
POINT1:やりやすいものから手をつける
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コメントを簡単に書ける作業は手がつけやすいですね!
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作業の順番通りに作ろうとすると難しくなることもあるので「出生後の処置」や「子牛へのミルク給与」など、工程ごとに作ると始めやすいのだよ。
POINT2:写真を活用する
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写真を撮る際は、作業に関係するもの以外の余白がない方が分かりやすくなりますね!
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写真の中に「この場所」と示すと更にいいね!
POINT3:数字を明確に書く
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基準を明確にしないと、担当する人の感覚によって変わってしまう。だから、数字を書くのだね。
POINT4:細かい作業を分かりやすく書く
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これまで作業に携わったことがない人でも分かるように、細かい作業も書くといいのだ!
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作業の偏りやヌケ・モレの防止にもつながりますね!
POINT5:機械や機器の使い方を書く
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生産現場ではさまざまな機械や機器を使いますよね。
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初めて使う人でも分かるように書くといいね!
POINT6:現場のアイデアを取り入れ柔軟に変更
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未経験者でも作業が分かるよう、現場が使えるマニュアルになるよう変えていくことが大切だね!
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このマニュアルではどんな所を改訂したの?
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変更後のポイントは以下の通りだよ。
●牛をどのように固定すれば良いのか。
●装着器具の使い方。
●装着箇所の「中央真ん中」はどこを示すのか。
POINT7:作業を行う場所に掲示する
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マニュアルは作業に携わるみんなで共有することが大切。だから、作業場所でいつでも誰でも見られるようにするといいね!
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「いつの間にか汚れて見にくい」などを防ぐため、ラミネート加工をするといいと思います。
マニュアルは、「それを見れば誰でも同じ作業ができるようにする」ことを目的としていますが、使用する機械や物は常に刻々と変化するので、実際の作業に反映されていないケースも必ず出てきます。「作って終わり」ではなく、常に現状に即したものに柔軟に変更していくことが必要となります。そう考えると、マニュアル作りは、牛を育てるのと同様に、一歩一歩育てていく姿勢で取り組むべきことだと思います。
「子牛管理」マニュアルは、アグリポートWebからダウンロードできます。また、訓子府実証農場が、マニュアル作りの雛形として使用している「デーリィNavi」は、専用サイトからダウンロードできますので参考にしてください。
●ホクレン訓子府実証農場「子牛管理」マニュアル一式(PDF形式)>ダウンロードはこちらから
●デーリィNavi >ダウンロードはこちらから