
この記事は2025年11月10日に掲載された情報となります。
ホクレン 農業総合研究所 営農支援センター営農技術課
農作業の省力化や、作物の品質・収量の向上に有効な“環境制御機器”。
全ての設定や操作がスマートフォン1台で簡単にできる、CRSシリーズをご紹介します。
※図1・図2はCKD株式会社より提供
ハウス栽培の省力化が急務に
北海道では、農業人口の減少とともに、1戸当たりの耕地面積が拡大しています。
これにより、限られた人手で広大な農地を管理する必要があり、ハウス栽培においても省力化が急務となっています。
しかし、道内の施設園芸では、本州のような連棟ハウスや大型ハウスは少なく、単棟・低軒高のハウスが主流で、更には、夏秋どり作型が中心であるため、設備投資の回収に時間がかかり、高価な機器の導入には慎重な姿勢が見られます。
環境制御機器の導入で見込める効果
環境制御機器を導入することで、農作業の省力化が図れるだけでなく、温度や湿度、日射量などのデータを基にハウス内の機器を制御することで、作物にとって最適な環境を維持できるようになり、作物の品質や収量の向上も期待できます。
また、環境データを蓄積・分析することで、栽培技術の改善やトラブルの早期発見も可能になります。
農業向け環境制御機器「CRSシリーズ」
長沼研究農場の一部ハウスに昨年から設置し、作動状況や効果の確認などを行っている環境制御機器「CRSシリーズ」を紹介します。

「CRSシリーズ」は灌水用電磁弁メーカーのCKD株式会社が開発した農業向けの環境制御機器です。道内では2025年春から本格販売となりました。
栽培管理の中でも、まずは灌水と換気の自動化をしたいという方におすすめです。シンプルな機能で比較的安価に導入することができます。
CRSシリーズでできること

CRSシリーズは、環境モニタリング、温度に応じた側窓開閉制御、換気扇のON/OFF制御、豊富な灌水制御、クラウド連携などの機能を備えています。
特に灌水制御においては、最大18系統の灌水電磁弁を接続可能で、日射比例灌水、スケジュール設定、作物に最適な灌水方法を組み合わせて使用できます。
また、アラート機能が充実しており、灌水や側窓開閉の動作をセンサで感知し、異常があれば警報を発して知らせてくれるため、安心して利用できます。購入後もアップデートされ、機器の更新を必要とせず新しい機能が追加される点も大きなメリットです。
CRSシリーズ取り扱い開始キャンペーンを実施
CRSシリーズについて、環境制御ハウスの導入促進として、ホクレン独自で、メーカー発表の定価よりも安価での供給キャンペーンを実施しています。
期間に限りはありますが、ご興味ありましたら、お近くのJAを通じてホクレン各支所までお問い合わせください。