この記事は2024年11月29日に掲載された情報となります。
合同会社ヒロヤマファーム
(JA宗谷南)
●DATA
搾乳牛頭数:80頭
個体乳量:30kg/頭
草地面積:120ha
飼料用トウモロコシ面積:作付け無し
飼養形態:フリーストール
給餌方法:分離給与(自動給餌機)
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牛が食う自給飼料づくりのポイントは?
●地域的にリードカナリーグラスが優勢となりやすく、2回刈りでは他の草種が中々勝てないと感じてきました。そこで、あるものを上手く利用する精神でリードカナリーグラスを早めに刈取り、年3回刈りで収穫するようになりました。
●オーチャードグラスの草地では、年3回刈りすることでリードカナリーグラスが減ることを実感しています。今後はオーチャードグラスを積極的に活用したいと考えています。
●簡易更新機にてチモシー、オーチャードグラス、メドウフェスクの追播にもチャレンジしています。
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牛が食うために行っている工夫は?
●牛がしっかり横臥する環境を整えるために、十勝管内から購入した麦稈を敷料に使用しています。
●エサ寄せは日中必ず行い、牛が食べやすい環境を整えています。
●牛、サイレージ、草地のすべての要素はつながっているので、自給飼料だけを改善しても上手くいかないと考えています。しっかりと食べ長命連産で仕事をしてくれる牛を作ることを目標に牛群改良にも力を入れています。
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自給飼料の給与で苦労することは?
●草地の反収が低いことが課題ですが、肥料価格高騰のため、安易に使用量は増やせないので、堆肥の利用や草地更新など試行錯誤を行っています。
取り組みの成果
●就農時は購入飼料の割合が非常に高く(配合飼料12kg、パワーコーン3kg、パルプ3kg、ルーサン乾草3kg)、サイレージは繊維源程度でした。この状態では利益が出ないと考え、自給飼料中心の給与に徐々に切り替えを進めた結果、配合飼料7kg、パワーコーン2kg、パルプ2kgまで減らすことができ、飼料コストの低減につながりましたし、さらに個体乳量も増えました。また、乳房炎のロスや原因不明の死亡なども減り、現在では疾病も減っています。
●購入飼料価格が高騰する現状ではより自給飼料の比率を高めることが大切と感じています。「いい牛を作る」を理念として、牛、草、草地がうまく循環する経営を実現したいと思っています。
※掲載ノウハウは個人の見解に基づくもので一般に該当しないケースもあります。