この記事は2025年4月1日に掲載された情報となります。
JA北海道厚生連 札幌厚生病院
公認心理師・臨床心理士 近藤 陽子さん
緩和ケア病棟や外来で、がん終末期などの患者と
家族の心理的なケアを担当。
病院職員のメンタルヘルスにも長年、
携わっています。
困ったとき、しんどいとき、話を聞いてくれる人はいますか。悩みを聞いてくれる相手がいれば、問題がすぐに解決しなくても、気持ちは楽になります。家族のほかに普段から気軽に話せる仲間をつくっておきましょう。
農業はストレスフル?
—農業者が感じるストレスにはどのようなものが考えられますか?
近藤:ストレスの度合いは仕事の量だけでなく、その仕事を自分でどのくらいコントロールできるかによっても左右されます。
自然相手の農業は天候や災害をはじめ、価格の変動、人手不足、後継者の不在、農業政策など、自分ではコントロールできないことが多いので、ストレスの度合いが高いかもしれません。
—ストレスはどのように解消したら良いでしょう?
近藤:会社員の場合、休日は仕事を離れられますが、農業者はオン・オフの切り換えが難しく、仕事の問題が家庭に持ち込まれがちですよね。
体調を崩しても代わりがきかないという点も、ストレスの要因になります。
できればムリにでも休みを決めて、友人と温泉に行ったり、山菜採りに出かけたり、リフレッシュの時間を持ってほしい。仕事からも家庭からも離れて自分の時間をつくるよう意識してください。
家族だけで抱え込まない
—農業者からはどのような相談が多いですか?
近藤:例えば家族経営の場合、誰かが病気になると、家族が作業をカバーしなければなりません。
そのため家族の負担が大きくなりすぎて共倒れになりがちです。家族の中だけで解決しようとせず、外の力を借りるようにしてください。
—仲間づくりのヒントは?
近藤:普段から相談できる仲間をつくっておくことが大事。JAや地域の仲間、お寺のつながり、お子さんを通じたお付き合いなど、積極的にコミュニティに顔を出して交流するようにしましょう。
人とつながりを持っておくのは、いざというときのリスク管理でもあります。


日ごろの雑談が大事
—人づきあいのコツは?
近藤:大切なのは日ごろの挨拶と雑談です。無駄な話ができる関係だから、いざというときに相談できるのです。
人と話すのが苦手なら、質問から始めてはどうでしょう。「新しい品種はどうだい?」「人手不足はどうしてる?」などの情報交換なら、気負わずできるのではないでしょうか。
お互いのことが少しずつ分かってくれば、声を掛けやすくなります。
—相談できる人がいない時は?
近藤:JAや、保健センターなど公的機関の窓口に連絡すれば、どこへ相談したらいいか教えてくれるはずです。
よく眠れない、朝起きられない、意欲がわかないような状態が2週間以上続くようなら、心療内科など医療機関へ。
もし身近な人の様子がいつもと違うと感じたら「ごはん食べてる?」と声を掛けるなど、心配していることをさりげなく伝えましょう。