農薬コスト低減に「直送大型規格」と「ジェネリック農薬」

キーワード:コストコスト削減ジェネリック農薬農薬

農薬コスト低減に「直送大型規格」と「ジェネリック農薬」

この記事は2024年11月27日に掲載された情報となります。

ホクレン 肥料農薬部 農薬課

 

コスト低減に役立つ「直送大型規格」の利用が拡大しています

 

普及が進む「直送大型規格」

ホクレンでは、2017年度より生産者の営農コスト低減を目指して農薬の「直送大型規格」を取り扱っています。この直送大型規格とは、予約取りまとめに基づき、メーカーから生産者宅までの直送による物流コスト削減と、取りまとめによるスケールメリットを生かした製造コスト削減により、通常規格よりも安価な価格設定を実現したものです(図1)。

図1.直送大型規格のイメージ
図1.直送大型規格のイメージ

 

初年度は4品目から始めましたが、2024年度では37品目にまで増えています(表1)。

表1.直送大型規格品目の一覧

 

普及面積も拡大し続けており、2024年は約5万9000haとなりました(図2)。

図2.直送大型規格の普及面積(北海道内)
図2.直送大型規格の普及面積(北海道内)

 

水稲除草剤の分野では、道内の作付面積の約23%にあたる約2万1000haで使用されています。当初は水稲分野を中心に普及を進めていた直送大型規格ですが、2018年度より「ベタナール乳剤」をラインナップに追加し、以降も「バスタ液剤」など畑作地区でも使用できる品目を増やしています。更に、2023年度からはジェネリック農薬の「グリーンペンコゼブ水和剤」をラインナップに加えたことによって、畑作分野における普及面積が急速に拡大しました。方、畜産分野においても2024年度よりデントコーン用除草剤の「日曹アルファード液剤」を設定することで、普及に取り組んでいます。

2025年度も、殺センチュウ剤である「ネマクリーン粒剤」の取り扱いを開始します。今後もホクレンでは「直送大型規格」の普及に取り組むことで、農薬のコスト低減に寄与していきます。

 

「ジェネリック農薬」も活用を

農薬は、特許を有するメーカーが独占的に製造・販売する権利を持っています。しかし、特許期間(20〜25年間)を経過した農薬については、第三者が安全性などのデータを提出して農薬登録を取得すると、先発剤よりも少額の開発費で同の有効成分の農薬を製造・販売することができるので、農薬価格の引き下げにつながります。これが「ジェネリック農薬」です。

 ホクレンでは「クサトリキング」「グリーンペンコゼブ水和剤」など複数品目においてジェネリック農薬の普及に取り組んでいます(表2)。

表2.ジェネリック農薬一覧
表2.ジェネリック農薬一覧

 

ジェネリック農薬は、そのものを安価に供給するだけでなく先発剤の価格引き下げにもつながっていて、2023年には、表2の4品目を合わせると約2.4億円の価格引き下げ効果を生みました。今後も営農コスト低減に向けてジェネリック農薬の普及を進めていきます。

 

直送大型規格×ジェネリック農薬「グリーンペンコゼブ水和剤」
グリーンペンコゼブ水和剤
さまざまな作物で使用可能で、1戸当たりの使用量も多い薬剤です。
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