農村から始まる〈人間性の回復〉の見届け役に

キーワード:ファームレストラン新規就農食育
菅野さんが運営するファームレストランで撮影
菅野さんが運営するファームレストランで撮影

合同会社 菅野牧園
代表 菅野 義樹

この記事は2024年7月5日に掲載された情報となります。

 

僕たちが栗山町に移住してきた2014年当時は、町にとっても新規就農者を受け入れ始めた草創期。互いにとまどうこともあったと思いますが、皆さんに助けていただいて今日を迎えています。

新規就農者が増えていくことで地域の「風」となり、栗山を含む近隣㆒帯に今とてもいい流れができつつあると感じています。北海道に来て心強かったことは、事業の活用など含め、生産者を支援する組織の体制が確立しているところ。農家を生産に集中させてくれる北海道農業の手厚さを実感しました。

経産牛を提供するファームレストラン構想の原点は、東北地方にある「までい」の心です。この言葉には「心をこめて」「じっくりと」というスローライフの意味があり、僕もそれを実践する故郷の飯舘村や両親の背中を見て育ちました。

これまで農村の価値というと貯水や、農産物の生産量など数値化できる指標によっていましたが、これからは食育などの教育や心身の疲れを癒やす社会福祉的な側面など、「人間性の回復の場」としての農村の価値を、都市住民や関係人口にアピールしていく。その言語化が大きな鍵を握ると感じています。

農村はいろんな分野と〈かけ算〉ができる場です。飲食を筆頭に、教育や生命科学、土地の魅力をアートとして視覚化するなど、さまざまなかけ算ができます。これらを新しい農村の価値として作り上げていきたいです。

㆒農家としては受精卵技術など、仲間とともに新しい改良技術への試行錯誤を続けています。

それと並行して、食育活動を通し採れたてのトマトのおいしさに驚く子どもたちの姿を見届けたり、レストランで和牛のおいしさを味わっていただくなど、いろいろなチャレンジを続け、農村の価値を更に広げていきたいと考えています。

 

Profile:1978(昭和53)年、福島県飯舘村生まれ。和牛生産と稲作の兼業農家16代目。東京電力福島第1原発事故後、飯舘村が全村避難となり、北海道に避難。2014(平成26)年に栗山町で和牛繁殖農家の「菅野牧園」を開業した。飼育頭数は約70頭。経産牛の付加価値に着目し、妻の美枝子さんが調理するファームレストランでローストビーフ等を提供中。食育にも力を入れている。
菅野さんの活動はインスタグラムで配信中です。@kanno_bokuen>インスタグラムへ