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2024年 営農のポイント

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2024営農のポイント

この記事は2024年4月1日に掲載された情報となります。

 

本格的な春作業を前に、あらかじめ知っておきたいポイントを、北海道農政部生産振興局の技術普及課の皆さんに聞きました。気候変動や社会情勢への対応、注目の新技術や新品種など、営農形態ごとに紹介します。ぜひ参考にしてください。

写真、図等提供元:地方独立行政法人北海道立総合研究機構、北海道農政部生産振興局技術普及課

 

まずは2023年を振り返ってみましょう

 

2023年は記録的な猛暑によりこれまでにない影響も

2023年は春から夏にかけて高温が続き、農作物の生育や品質への影響が大きく出ました。

3〜4月は融雪が早かったため春作業は順調に進み、5月は日照時間が長く気温が上がった㆒方、少雨となりました。6〜7月は平均気温が高く、農作物の生育も順調でした。

8月は各地で記録的な猛暑、9〜10月の平均気温も高く品質に影響を受けた作物が多かったものの、作物の収穫作業は順調に進みました。

品目別に見ると、水稲の作況指数は104(良)でしたが、品質としては白未熟粒が発生し、低タンパク米の出荷比率は低くなりました。

畑作では、生育期間を通じて高温が続いたため、多くの作物の生育は早く進みました。また、豆類の落花や葉落ち不良、てん菜の褐斑病など、高温・多湿による生育障害や病害虫の発生が目立ちました。

野菜は高温の影響により、トマトなどの果菜類は着果不良による減収や生理障害が発生しました。

葉菜類は石灰欠乏症が発生、特にほうれんそうは、出芽不良や生育不良となり収量に大きな影響がありました。玉ねぎの枯葉期は平年より5日、根切り期と収穫期は6日早く、球径は全道平均7.9㎝(平年比98%)と平年並み〜小玉傾向でした。

根菜類は大根で根部に内部褐変症が発生する等の影響が出ました。病害虫の発生程度はほぼ平年並みでした。

花きは、越冬株は株枯れが少なく春先の生育は概ね順調でした。春以降、高温により生育が早まり、短茎・早期開花で品質は低下しました。

病害は立枯病発生が多く、害虫はハダニ類、アザミウマ類、オオタバコガの発生が目立ちました。

果樹は春先の高温により、発芽期・展葉期・開花期は平年より早く、果実肥大は平年並みからやや大きくなりました。

収穫作業は平年より早く進み、収量や品質は野鳥害、日焼け果、病虫害などにより園地間差の大きい年となりました。

飼料作物は好天により順調に生育しました。収穫も例年より早く、良質な粗飼料が収穫できた㆒方、生育のスピードに作業が追いつかず、収穫適期を逃すケースも見られました。

 

道総研(北海道立総合研究機構)のHP内、農業研究本部の「農業技術情報広場」に、農業試験場の研究成果一覧が掲載されています。>詳しくはこちらをご覧ください。