「サキガケ楽粒」は北興化学工業株式会社が開発した「楽粒」製剤を用いた新規の水稲除草剤(販売開始時期:2022年12月より)で、難防除雑草を含む多くの草種に高い効果が期待されています。
この記事は2022年12月1日に掲載された情報となります。
ホクレン肥料農薬部 技術普及課
サキガケ楽粒はさまざまな散布方法に対応
「楽粒」は粒径をあえて不均一にすることで、水田で散布した場所から近いところと遠いところでそれぞれの粒が分散して崩壊するように設計。水面で有効成分がより広がりやすくなっています(写真1・図1)。10a当たりの散布量は250gと、フロアブル剤と比べて半分で、一般的な1kg粒剤と比べ4分の1と少ないのが特徴です。また、畦畔からの手まきに加え、無人ヘリやドローンによる空中散布などの省力的な散布方法にも適した製剤となっています(写真2)。
難防除雑草を含む多くの草種に高い効果が期待
有効成分にはノビエへの残効性が高いイプフェンカルバゾン、広葉雑草に効果のあるテフリルトリオン、ミズアオイに特に効果が高いフロルピラウキシフェンベンジルの3成分を含有。ミズアオイやオモダカなどの難防除雑草を含む多くの草種に高い効果が期待され、また、一年生雑草から多年生雑草まで幅広い雑草に適応します(表1)。
試験結果を報告していきます
本年、JA・ホクレンでは農業試験場や普及センターなどと連携し、全道各地区に組織している「施肥防除合理化推進協議会(施防協)」の試験圃場のうち22カ所で、「サキガケ楽粒」の試験を行っています(表2)。その試験では〈大きな区画での処理〉〈省力的な散布方法〉〈現地で行われている慣行〉など、楽粒の製剤の特性からさまざまな散布方法を実施。現在のところ各地区からはおおむね高い効果を示したとの中間報告がなされています。検討会を踏まえて最終的な試験成績が確定しますので、試験結果がまとまった後に、使用者の生の声をお届けしていきます。
「サキガケ楽粒」のポイント
❶省力化を図れる拡散型製剤
1ha水田でも中に入らずに、散布ができます。10a当たり250g処理で省力的。
❷さまざまな散布方法で処理可能
通常の湛水散布、湛水周縁散布のほか、水口施用、ドローンによる散布、水田畦畔の一辺処理など、さまざまな方法で使用可能。
❸特徴のある3成分を組み合わせ、安定した除草効果を発揮
異なった作用性を持つ、3成分をバランスよく配合し、一年草雑草から広葉雑草や多年草雑草まで幅広い雑草に効果。