北海道の今後の稲作にはスマート農業技術の活用が不可欠。田植えから栽培管理まで、ホクレンが取り扱いを始めた省力化が期待される機器や技術を紹介します。
この記事は2021年2月1日に掲載された情報となります。
ホクレン 営農支援センター スマート農業推進課
省力化につながるスマート農業機器
北海道の稲作の省力化にはスマート農業技術の活用が大事なポイントです。田植えから栽培管理までの各工程では省力化に役立つ技術の普及が始まっています(図1)。
高性能田植機
苗の移植は、総労働時間の約2割を占め、人手も必要とする作業です。国内農機メーカーは、衛星による位置情報を利用して自動直進ができる高性能な田植機を2016年から販売しています。
ホクレンも移植作業の省力化に向け、高密度播種短期育苗(密苗®)栽培が可能な高性能田植機の取り扱いを開始しました。
水管理機器
水管理は、総労働時間の約3割を占め、最も省力化が求められている作業です。1戸当たりの作付面積増加に伴い、分散した圃場が多くなれば、ますます水管理への負担が大きくなることも考えられます。
ホクレンと北海道農産協会では、水稲低コスト省力化技術実証試験に参加した生産者からの評価を踏まえ機器を選定。コスト低減と安定供給を目的に、各機器の取り扱いを開始しました。2020年の取りまとめでは、farmo製品が水位(水温)センサーと給水ゲートを合わせて、約400台の受注実績となりました。
農薬散布ドローン
現在、無人ヘリを主力とする空中散布は、水稲防除が9割近くを占めており、そのうちドローンの利用は3%程度です。しかし、適期防除や導入コストの低減などのため、無人ヘリに替わる機器として農薬散布ドローンに対する期待が高まっています。
そのため、JA・生産者向けに農薬散布ドローンの基礎や使い方が分かるパンフレットと動画を作成しました。
各機器の概要を表1にまとめました。各機器は「水稲生産拡大に向けた省力化技術推進モデル事業」による助成対象です。