ホクレン「水稲生産拡大に向けた省力化技術推進モデル事業」を活用しよう

ホクレンでは省力化技術を用いて水稲の生産拡大に取り組む生産者の皆さんを支援するモデル事業を実施しています。

この記事は2021年2月1日に掲載された情報となります。

ホクレン 米穀部 米穀総合課

北海道米の需要を見据え

生産者や関係者の努力により国内最大規模の米産地へと発展した北海道。今後は、将来的な高齢化による全国的な生産力減少を見据え、北海道としては生産力を維持し、全国に占める北海道米のシェア拡大を図り、需要に応える必要があります(図1)。一方、近年、北海道の水稲生産は1戸当たりの作付面積が拡大し、従来の作業体系では対応が困難。そのため、スマート農業などの省力化技術の活用が欠かせません。

将来に向けた生産のイメージ
図1.将来に向けた生産のイメージ

「水稲生産拡大に向けた省力化技術推進モデル事業」

ホクレンでは省力化技術の普及拡大を推進するモデル事業を実施しています。実施期間は、2020年度から2カ年。2020年度は、32JAから135件の申し込みがあり、その結果、約400haの作付面積拡大につながりました。最終年となる2021年度は、一部内容を変更し、スマート農業技術も助成対象となります。事業を活用し、省力化技術の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

省力化技術の有効性を確認

また、ホクレンと北海道農産協会は、関係機関と連携し「水稲低コスト省力化技術実証試験」を実施しています(北海道農産協会ホームページ参照)。この試験では、省力化につながる栽培技術やスマート農業技術の実証を通じ、地域に適した技術の普及拡大を目指しています。試験のアンケート結果は図2のとおりです。なお、省力化技術に関するオンライン研修会が次ページのとおり開催されます。興味のある方はぜひご参加ください。

水管理機器に関するアンケート結果(北海道農産協会調べ)
図2.水管理機器に関するアンケート結果(北海道農産協会調べ) ※「水稲低コスト省力化生産技術試験」結果より一部抜粋

試験参加者からの声

【水田farmo】
・田んぼの見回り回数が減った。
・省力化で作業競合を回避できた。
・通信がうまくいかないことがあった。

【ワタラス】
・外出先でも操作が可能である。
・水位、水温の見える化・データ蓄積ができた。
・トラブルもあるが、圧倒的に楽ができる。
・価格が高い。

導入イメージ(1台当たり価格)※運賃・消費税は別途

【水田farmo】
・水位・水温センサー 約2.2万円 ※センサー単独使用可
・給水ゲート 約5万円

【ワタラス】
・年間システム使用料 3万円
・親機(中継設備) 約33万円
・子機(給水設備) 約21万円
・子機(排水設備) 約14万円 ※オプション

水稲生産拡大に向けた省力化技術推進モデル事業

●目的
北海道米の需要に応えるため、JAグループ北海道は水田農業ビジョンの中で生産力維持と全国に占めるシェアを拡大する目標(107千ha以上の作付け)を掲げています。省力化技術の導入促進に向けた費用の一部を助成し、この目標の達成を目指しています。

●事業実施期間
2020〜21年度の2年間(各年度ごとの単年度助成)

●助成対象者
省力化技術を活用し、前年度から水稲生産の拡大などをしている生産者(拡大の要件は下記参照)

●助成内容
省力化技術の実施に伴う下記費用の一部(原則としてJA取り扱いに限る)

❶直播・高密度播種・疎植栽培のための農業機械、自動操舵農業機械、ICT機器の減価償却費用またはリース費用など
❷上記による面積拡大相当の種子代など、その他必要な経費

【省力化技術の例】

省力化技術の例

●助成割合・助成額
助成対象となる取り組み事業費合計の50%(上限額は50万円/申請)
※国等の補助事業対象の場合は、補助事業費を除く残額を助成対象事業費とします。
※申請状況により、事業対象の選定や事業費が按分となる場合があります。

●面積拡大の要件
個人申請:生産規模の5%以上または1筆以上の面積拡大
共同申請:生産規模の5%以上または2ha以上の面積拡大
※その他、特例要件あり。

●2021年度事業の主なスケジュール
2021年2月末事業の需要見込み取りまとめ
2021年6月末事業参加申し込み締め切り
2022年2月末助成金支出

助成内容の詳細や申し込み方法は各JAにご相談ください。

省力化技術の参考事例や実証結果は北海道農産協会のHPから資料をダウンロードできます。
https://hokkaido-nosan.or.jp/products/rice/pdf/