この記事は2024年10月30日に掲載された情報となります。
ホクレン 米穀事業本部 米穀部
これまで紙面で行っていた米の出荷契約を、Web上で行えるシステムが徐々に導入されています。
道内でも順次導入を推進
米の出荷にあたっては、毎年、生産者と所属するJAの間で作付面積に基づいて出荷予定数量を申請する「出荷契約」を交わし、その内容をJAごとにまとめてホクレンと契約いただいています。従来、契約は紙面で行われており、契約書の印刷などの事前準備や生産者への配布・回収、JAからホクレンへ申請する際の品目ごとの数量の入力など、作業の負担が課題となっていました。
そこで、そうした米の出荷契約をWeb上でできるシステムがJA全農により開発されました。このシステムを使うと、生産者が専用の入力フォームに入力すれば契約内容が登録され、JAはホクレンへの申請手続きまで全てWeb上で完結できます。生産者やJAの作業負担が軽減されると共に、データが蓄積されるので次回の契約の際に参照できるなどのメリットがあります(図1)。
JA全農の協力のもと、ホクレンの担当者がJAにシステムの使い方を説明。また、JA向けオンライン説明会を開くなどして、導入を推進。令和5年産に3カ所のJAで試験導入、令和6年産には6カ所のJAで順次導入しています。このシステムを導入してJA職員の業務を効率化することにより、営農指導や生産者との対話に注力できるようになることを期待しています。
契約の事前作業が大幅に軽減
米農家が約700軒いるJA新はこだてでは、契約時の書類を事前に全員分印刷する作業に職員が時間と労力を取られていました。そこで、効率化のために令和5年産からWEB出荷契約システムを導入しました。JA新はこだて生産販売部 米穀畑作課の下山大記主査はシステム導入の効果を実感しています。
「以前は出荷契約の際、会場を設けて生産者に出向いてもらう方式を取っていました。そのため、システム導入後もスムーズに契約できるよう、以前と同様に会場で生産者と職員が対話しながら入力しています。1年目は職員が操作に不慣れだったので少し手間取りましたが、事前準備の時間や使用する紙は大幅に削減されました。2年目からは職員が作業に慣れてきたため、スムーズに入力できるようになっています。現在は、大豆の出荷契約でもこのシステムを導入しています」
パソコンに不慣れな方は少なくないので時間はかかるかもしれませんが、今後は生産者自身に入力してもらい、細かい数量の調整などは電話でフォローするようにしたいと下山さんは考えています。生産者が直接入力できるようになれば、JAまで出向いてもらわなくても農作業の合間に入力でき、生産者にメリットを感じてもらえるようになるでしょう。
「システムで使いづらい点などはどんどん指摘してほしいとJA全農から言われています。実際に気づいた点を伝えたら随時改善してくれており、徐々に使いやすくなっています。たくさんのJAが導入することで、多くの意見を反映して使いやすいシステムになればよいと思っています」
JA新はこだて
生産販売部 米穀畑作課 主査
下山 大記さん