この記事は2024年7月31日に掲載された情報となります。
新ひだか町 帰山 諭さん(JAしずない)
稲わら処理の実施状況
POINT!
近隣の畜産農家と提携し、稲わらと堆肥を交換。搬出作業は手間がかかりますが、米の品質向上や土壌の排水性向上などメリットが大きいです。
-
稲わら搬出をしているそうですが、どのように行っていますか?
-
収穫時に稲わらを結束させ圃場で乾燥させて搬出しています
近隣の軽種馬牧場や黒毛和牛牧場と提携し、稲わらと堆肥を交換(一部黒毛和牛は稲わらを販売)しています。収穫時は、コンバインにノッタ(結束機)を付けるのですが、ノッタの動力や性能に限界があるため、収穫には時間がかかります。
その後、結束した稲わらを圃場に立てて1週間から10日ほど乾燥させてから、機械でロールにして搬出します。
さらに雨が降る日は農道に移して乾燥させるなど手間はかかりますが、有機の堆肥で土づくりをすることで特別栽培で生産できていますし、低タンパク米を出荷し続けられているのは大きなメリットです。
-
稲わら搬出をする場合、圃場の排水性を良くする工夫は?
-
秋起こしをしないので排水性は良好。さらに中干し、心土破砕をしています
稲わらを搬出し、秋起こしはしないので、表土が固くなり春の排水性が良くなります。元々の土壌は粘土質で乾きにくいため、排水性を高めるために幼穂形成期の前に中干しをして溝切りをしています。
また、秋の稲わら搬出後か春のどちらかに心土破砕をします。2023年は暑かったので8月に何度か掛け流しをして、お盆明けに落水すると、収穫前には圃場が乾いていました。
-
その他のポイント
● 雪が少ないので融雪の必要はないが、土壌改良剤としてケイカルを散布。
● 稲わら搬出は人手を要する作業が多いので、近所の人や知人にアルバイトに来てもらう。
※ノウハウは個人の見解に基づくもので一般に該当しないケースもあります。