この記事は2024年7月31日に掲載された情報となります。
愛別町 株式会社金富農産
鉛口 裕二さん(JA上川中央)
稲わら処理の実施状況 ※ゆめぴりか以外の品種は圃場条件などで変動する。
POINT!
天候や圃場の状況により秋に全量すき込みできない場合は、できるだけ分解が進むようにさまざまな工夫をして春すき込み作業を実施します。
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秋に圃場が乾かない場合や天候不順の場合はどうしましたか?
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秋すき込みを優先しつつ、条件が悪い時は無理せず春に作業しました
基本的に砂壌土の圃場で、中でも透排水性の良い場所を選んで作付けしています。
しかし、天候条件などで圃場の乾きが不十分な状態で秋すき込みをすると、土壌を傷めたり、土の中に酸素が入らず地温が上がりづらくなります。
そうした場所はあえて春にすき込むようにしています。
春の作業に向け、稲刈り後には融雪水を排水するための溝切りを実施。排水側が少し低くなるように土を掘って溝を調整し、融雪水を排水しやすくしました。
早く雪が解けるよう、ケイ酸質資材の散布も行っています。2023年はゆめぴりかの圃場を全て秋すき込みしました。
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稲わらをすき込む時、どんなことに気を付けましたか?
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稲わらと土がしっかりと混ざるよう深めにすき込んでみました
稲わらの分解が進み、ワキが少ない圃場では、稲の初期成育が良くなる傾向が見られます。
そこで、圃場が乾く条件であることを前提に、稲わらをすき込む際には地温が高めの深い層の土と混和させることで、少しでも分解が進むようにしています。
約10〜15㎝と深めにすき込み、春の土起こしの時と同じぐらい、土が反転した状態にしました。
また、コンバインで稲を刈る際、土にすき込む稲わらが10数cmの長さにカットされるように設定しています。
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その他のポイント
● 最初にゆめぴりかの収穫を終え、秋すき込みを行う作業時間を確保。
● コンバインの回転跡に水が溜まらないよう、スコップで土壌をならす。
※ノウハウは個人の見解に基づくもので一般に該当しないケースもあります。