この記事は2024年6月12日に掲載された情報となります。
北海道農政部 生産振興局 技術普及課
主査(普及指導)(農業革新支援専門員)
有田 匡志さん
登熟期間が猛暑なら、できる範囲で水田に水を入れましょう。
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Q.登熟期間の温度管理で有効なものは?
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A.雨任せにしないで、8月も水を入れる必要があります。
登熟期間の用水の掛け流し(写真1)が最も有効ですが、用水が豊富でない地域では、常時湛水、間断かんがいでも、無かん水よりは玄米品質が良いというデータが出ています(図1)。できる範囲で水を入れるようにしましょう。
![写真1.猛暑時に用水の掛け流しを行っている水田。](https://agriport.jp/wp-content/uploads/2024/05/fa7b7b56a324ce03125da1566dd35a98-1024x640.jpg)
![図1.白未熟粒と登熟期の水管理(ななつぼし、ゆめぴりか、 ふっくりんこ)(「令和5年産米の品質実態調査」より)](https://agriport.jp/wp-content/uploads/2024/05/e421d724e08be628825e9350b4a68841-1024x448.png)
(「令和5年産米の品質実態調査」より)
用水の掛け流しを行った水田(右から2番目)が最も整粒の割合が高いですが、間断かんがい(左)、常時湛水(左から2番目)でも、無かん水(右)と比べて一定の効果が出ていることが分かります。
北海道の高温対策はここ数年のことで、知見を重ねるため試行錯誤中です。道総研農業試験場の研究成果(平成29年指導参考事項)「北海道米の白未熟粒・死米の発生要因と軽減方策」では、従来の基本技術で軽減可能とされています。
健苗育成、適正施肥、適期移植、ケイ酸資材施用などが高温対策にも有効と考えられます。来年度からの参考にしてください。