この記事は2023年10月1日に掲載された情報となります。
ホクレン パールライス部
パールライス総合課 課長補佐
松原 研太
ホクレン パールライス部
パールライス販売課 課長補佐
入宇田 哲史
ホクレンでは北海道米の消費拡大を目指し、昨年からお米と具材、調味料を全てセットしたミールキットを発売しています。開発に携わったパールライス部に商品誕生までの経緯を聞きました。
「簡便」「時短」がテーマ
材料を切ったりお米をうるかしたりしなくても、無洗米とレトルト具材を電気炊飯器に入れてすぐにつくれるミールキット。昨年6月にデビューしたのが「パエリア」と「中華おこわ」です。ホクレンのパールライス部が開発しました。
「ライフスタイルの多様化にともない食生活も変化しているので、『簡便』『時短』のニーズに対応した商品の開発を目指しました」(入宇田課長補佐)
参考にしたのは、名古屋の企業が製造している赤飯おこわのキットです。メニューは道内の消費者を対象にアンケート調査を行って選定しました。
「狙ったのは日常的に食べられる料理で、かつ、普段は家庭でつくらないもの。パエリアは家では調理したことがないようなメニューの代表として、おこわはもち米を使い切りで食べてもらいたいと考えて選びました」(入宇田課長補佐)
パエリアには「きらら397」、中華おこわには「はくちょうもち」が使われています。発売1年間で2商品あわせて18万6千食を出荷。
売れ行きは上々で、特にパエリアはキャンプなどのアウトドアシーンや、クリスマスなどホームパーティーにも向いていると、多くの人に受け入れられたようです。
第2弾の新メニューを投入
更に今年8月には第2弾として「とり五目」と「ジャンバラヤ」を新発売。ミールキットのラインナップが4種類に増えました。
「とり五目は王道というか、誰もが知ってる定番メニューなので、ジャンバラヤは反対にチャレンジ商品の位置づけ。パエリアをルーツとするアメリカルイジアナ州の郷土料理です」(入宇田課長補佐)
スパイシーな味付けを子どもも食べられるようにアレンジ。明るいラテンのリズムに乗せて「ジャンバラヤ」を連呼する斬新なテレビCMもオンエアし宣伝にも力を入れました。
「こうした幅広いメニューを提案できるのも、北海道米の品種のバラエティが豊かだから。パエリアやジャンバラヤは本来ならインディカ米など長粒種を使う料理ですが、きららならおいしくつくれます。
品種の特性を生かせば、和食から外国料理までカバーできるのは北海道米の強みの一つです」(入宇田課長補佐)
北海道米の価値向上のために
パールライス部では昨年「北海道こめ油」のリニューアルも行いました。こちらも事前に消費者アンケートを実施して、ニーズや現行商品に対する意見を調査し、健康面を強調した表示とパッケージに変更しました。
「こめ油の原料は、精米するときに出る『ぬか』です。本来は副産物ですが、付加価値の高い油として人気です。米の消費が増えれば、米ぬかも増え、こめ油の生産増にもつながります」(入宇田課長補佐)
「加工商品はいずれも、北海道米の価値をいかに高めるか、がテーマです。お米のいろんな食べ方を提案していくこと、こめ油の機能性を広く伝えていくことで、北海道米の価値向上と需要拡大につながることを期待しています」(松原課長補佐)
ジャンバラヤのテレビCMの冒頭には「北海道米の可能性は無限だ」というキャッチコピーが入っていますが、この一言は、生産、加工、流通と、北海道米に関わる全ての人が共有する思いかもしれません。
付加価値アップで売れ行き好調 こめ油が機能性表示食品に!
北海道産の米ぬかだけを原料にしたホクレンの「北海道こめ油」。こめ油ユーザーは健康意識が高いというアンケートの結果を受け「機能性表示食品」を申請し、こめ油では初めて受理されました。
機能性表示にあたるのは「血中の中性脂肪や総コレステロールを低下させる機能が報告されている成分(γ-オリザノール)」についてです。あわせてパッケージもリニューアルしたところ、今年3月末までの出荷量は前年比130%。人気商品になっています。