この記事は2023年8月1日に掲載された情報となります。
環境負荷低減につながる水稲生産の拡大へ、産地と販売先とのマッチングによる新たな需要創出に取り組んでいます。
ホクレン米穀部
環境負荷低減につながる水稲生産の拡大へ、
産地と販売先とのマッチング機会を
生産力向上と持続性の両立を目指す「みどりの食料システム戦略」が2021年5月に策定され、化学農薬と化学肥料使用量低減など環境負荷低減の推進が掲げられました。
また、「SDGs」(持続可能な開発目標)という言葉をよく耳にするなど、持続性のある社会についての関心が高まっています。全国トップクラスの米生産量を誇る北海道も、環境負荷低減への対応が求められます。
このような中で道内には、その戦略で「2050年までに目指す姿」として示された「化学農薬5割低減」「化学肥料3割低減」を現在、既に満たすなど、環境負荷低減につながる水稲生産に先進的に取り組んでいる産地があります。
そうした産地と販売先をマッチングする機会をつくり、商品化や販売につなげることで、全道的な取り組みに拡大を図るため、昨年「みどりの北海道米チャレンジ」を初めて開催しました。
産地が百貨店や米穀店バイヤーに直接、取り組みを紹介
昨年12月16日に東京で開催された「みどりの北海道米チャレンジ」には、全道から11の米産地が参加。販売先としては、取り組みに対する適正な評価や消費者への訴求が重要なことから、百貨店や米穀店など18社が参加しました。
当日は、各産地が、取り組んでいる特別栽培米や高度クリーン米などの化学肥料、化学農薬の低減、収穫後の稲わらの秋すき込み、搬出や中干しによるワキ対策、保管倉庫の雪利用による冷蔵システムなど、環境負荷を減らす工夫のほか、タンパク値調製などの高品質米生産への対応について、百貨店や米穀店のバイヤーにPRしました。また、各産地が生産したお米の試食も行いました。
参加したバイヤーは、購入意向や感想などを産地ごとにシートに記入。集計の結果、全産地に対して購入に前向きな意向が示され、その内一つの産地が即日成約しました。また、各産地に対しバイヤーが感想を述べるなど、活発な意見交換が行われました。
そして、シートに記入された環境への取り組みや、食味・品質に対する評価、ほかの産地との更なる差別化への要望などは、各産地にフィードバックされました。
今後もこうした機会を提供予定
「みどりの北海道米チャレンジ」での紹介後も商談を継続し、2023年2月〜3月に新千歳空港のダイヤモンドプレミアムラウンジで提供されたおにぎりや、4月のG7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合に先立って行われた準備会合中のおにぎり、生活協同組合コープさっぽろの商品等に採用されています。
ホクレンでは環境負荷低減につながる水稲生産、販売の更なる拡大に向けて、本年は、新たな手法による「みどりの北海道米チャレンジ」の開催を予定しています。