スポットライトを浴びてランウェイに立つのは農家の皆さん。昨年、北見市留辺蘂町で行ったファッションショーについて、企画した動機や農業ファッションへの思いを伺いました。
この記事は2022年4月1日に掲載された情報となります。
るべしべ魅力あるまちづくり協議会
株式会社 森谷ファーム
代表取締役 森谷 裕美さん(北見市)
Profile:北見市留辺蘂町生まれ。短大を卒業後、2015年に玉ねぎ、てん菜、白花豆などを栽培する農家の4代目として経営継承。「るべしべ白花豆くらぶ」会長。
農家による農家のためのショー
「『文化の根源である農業、農村をクリエイティブにする』をコンセプトに、プロによる本格的なショーを、農家の皆さんにモデルとなって体感していただくのが目的でした」。そう話すのは、自身も農家で2020年10月に行われたRURAL STYLE COLLECTION発起人の一人である森谷裕美さん。
きっかけは、地元留辺蘂町の特産品「白花豆」のPRや地域活性化の活動でした。その中で、生産者が白花豆のある農村空間を地域の誇りとして再認識できないかと考えたのが農家のシンボルと言える作業着のファッションショーでした。
「モデルなんて無理と言っていた方も終演後は笑顔に。コロナ禍での開催は大変でしたが、イベントが成功したのは、農家をはじめ、地域の皆さんの協力あってのこと。地域のつながりを感じた一日でした」
ファッションは力になる
普段は服を買う時間もないほど忙しいと言う森谷さんも、作業着に関してはこだわりを持っています。安全性を第一に考え、着心地の良さや耐久性も重要視。愛用しているアウトドアブランドのツナギは、軽いうえにストレッチ素材で肩凝り知らず。帽子は、風が吹いてもめくれにくいツバが硬めのものを選び、紫外線対策にはサングラスも必須と言います。
「就農当時に比べ、今はデザインも素材も進化していて選ぶのが楽しいです。農業にもファッションは必要です。会社員がきちんとスーツを着て仕事をするように、良い物を育てる私たちこそ、身なりにも気を配り畑に出たいですね。そうすることで気分も上がり、また、そういう姿を見た人が『農業っていいね』と思ってくれたら次の担い手につながるのではないかと思っています」と話します。