生産現場のカラダケア VOL.6

目的に合わせた入浴法で入浴効果をアップ!

キーワード:リラックス入浴疲労回復

目的に合わせた入浴法で入浴効果をアップ!

この記事は2023年6月1日に掲載されたものです。

疲れを癒し、リラックスできるお風呂。

正しい入浴法を実践することでその効果がアップすることをご存じですか?入浴について研究する、日本健康開発財団の後藤康彰さんに入浴方法や注意点などについてお聞きしました。

 

後藤 康彰さん

一般財団法人日本健康開発財団
主席研究員 医学博士 後藤 康彰さん

Profile:通称フロフェッサー。加齢を制御する生活行動として「日本の入浴」に着目。入浴がもたらすベネフィットを研究し、「日本の入浴」の世界への浸透をミッションとする。著書に「女子力UPのための最新入浴法」(虹有社)。
専門分野:生理心理情報解析、加齢制御、疫学・公衆衛生、温泉医学。

 

入浴で内側から整えて健康に

清潔にするならシャワーで十分ですが、入浴には心身ともに健康にするさまざまな効果があります。実は日常的に入浴をする日本の習慣は世界から見ると珍しいもの。身体を温め、リラックスさせる入浴はすばらしい文化です。

入浴の利点としてはまず、お湯に浸かることで温熱・静水圧作用により、酸素(ヘモグロビン)を心臓から末梢(まっしょう)に運んで血流を良くすることが挙げられます。理想は38〜40℃のお湯に10分程度浸かることですが、体調や気分に合わせて半身浴や足湯・手湯だけというように、体調・目的に合わせて入浴するのもいいでしょう。42℃以上の熱めのお湯は、血液をドロドロにさせる可能性があるため、安全のために長湯は控えたほうがいいですね。高齢者や心臓に持病がある方は特に注意してください。

農作業で身体を動かすことが多い農家の皆さんは、野菜・果物を育てる時のように、自分の身体もわってください。作物によって育て方が違うように人によって最適な入浴法は違います。自分に合った入浴法を見つけて身体の内側から健康になりましょう。

心臓に血液を戻しやすくする(静脈還流)作用。
入浴のポイント1
目的に合わせて入浴方法を変える

目的別におすすめの入浴法を三つ紹介。体調や気分に合わせてお試しください!

リラックス入浴方法

緊張をほぐしてくれる、基本的な入浴法です。

リラックス入浴方法
①ぬるめのお湯でかけ湯をし、身体の汚れを落とします。
②40℃程度のお湯に浸かり、額にうっすら汗をかく程度で出ます。
③3〜5分休憩して、再び湯船に入ります。これを2〜3回繰り返します。

 

リラッシャキッとスタート入浴方法

翌日、いつもよりがんばりたい時に。

シャキッとスタート入浴方法
①ぬるめのお湯でかけ湯をし、身体の汚れを落とします。
②42℃程度の熱めのお湯に入浴します。
③5分程度の短い時間で上がりましょう。

 

ゆっくり睡眠入浴方法

ぐっすり眠りたい方に。

ゆっくり睡眠入浴方法
①眠る30分〜1時間前に入浴します。
②ぬるめのお湯でかけ湯をし、38〜40℃程度のお湯に入浴します。
③10〜15分程度で上がりましょう。

 

入浴のポイント2
疲れた時は時間を空けて

入浴のポイント2

疲れたままでの入浴は交感神経が緊張し、リラックス効果が減少します。
農作業後はできるだけ30分〜1時間空け、体力が回復し、リラックスしてから入浴しましょう。

入浴のポイント3
夏の暑い時はシャワーと併用

入浴のポイント3

39℃程度のぬるま湯に浸かり、ぬるめのシャワーで上がり湯をしましょう。
夏は脱水症状になっているかもしれないので、水分補給をしてから入浴しましょう。

入浴のポイント4
入浴剤は効果を確認!


入浴のポイント4

入浴剤は効果をしっかり確認することが大切。
「塩類系」は保温効果、「炭酸系」は末梢まで血液を運び血流を整える効果があります。
香りはメンタル面で効果があるのでお好みの香りを楽しみましょう。

入浴のポイント5
水分補給と飲酒に注意

入浴のポイント5

水分補給で脱水・熱中症を防ぎましょう。
おすすめはスポーツドリンクなどの電解質(イオン)が入った飲み物を入浴前に摂ること。
また、事故を防ぐためにも入浴前の飲酒は控えましょう。

入浴のポイント6
マッサージでより快適に

筋骨格系(肩・腰)に負担が掛かりやすい方は入浴中のマッサージがおすすめ。
細胞と細胞をつなぐ接着剤の働きがあるコラーゲンを柔軟化させることで動きが良くなり負担も軽減します。
凝り・張りを和らげて疲労を回復、姿勢改善にも効果があります。

入浴時におすすめのマッサージ
●浴槽のふちをつかんで身体をひねる。
●ひざを開閉して股関節を動かす。
●足の指を手の指で握る。
●足の裏を指で押す。

女子力UPのための最新入浴法HP

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