この記事は2017年6月1日に掲載された情報となります。
農家の女性がモデルとなり田んぼで行ったファッションショーに関わった谷さん。ファッションには農村を元気にする力があることを実感しました。
谷 江美さん
Profile:東京生まれ、早稲田大学卒業。2010 年に寿彰さんと結婚、3 人の娘を含め4世代8人暮らし。「イナゾーファーム」副代表。NPO法人「田舎のヒロインズ」理事。
ファッションショーを通じて伝えたいこと
稲を刈った後の不揃いな田んぼの中にこつ然と現れたランウェイ※。そこを歩くのは風景を写した衣を身にまとった人々…。一昨年、熊本県で行われた全国の農家の女性が立ち上げたNPO法人「田舎のヒロインズ」主催の「風景を着るtamboファッションショー」のひとコマです。
※ファッションモデルなどが歩く細長い舞台。
当時の写真を見ながら「皆さん、いい笑顔ですよね」と話すのは、同団体の理事としてこのファッションショーに関わった谷江美さん。
「風景を着るtamboファッションショー」の会場は、区画整理により翌年には景観が消えてしまう田んぼ。長年田んぼを守り続けた農家のおばあさん達や将来を担う子ども達もモデルとして登場し、いきいきとランウェイを歩きました。
谷さんは「ファッションの持つ力を借りて、農家には農村景観の素晴らしさと自分の仕事の価値を再認識してもらい、都会の人には農村で起きている問題が自分につながることを知ってもらうことができたと思います。今後は農村が抱える問題を発信するツールという意味でのファッションショーが、世界各地で農村を舞台に広がれば」と目を輝かせて話します。
機能が最優先だがこだわりも大切にしたい
「風景を着るtamboファッションショー」を通じてファッションが人を元気にする姿を実感した谷さん。その谷さんご自身の作業着ファッションは、洗濯に強く耐久性があるなど機能性を重視。カイロとスマートフォンが入る深いポケットのあるカフェエプロンを加えるなどひと工夫しています。
「上着はヤッケ、ヤッケは本当に便利ですね(笑)、体にあったものを着る“サイズ感”を大切にしたいのですが、既製品は大きめのフリーサイズが多く小柄な私にはそこがちょっと残念です。サイズが色々あったらもっと楽しくなるかもしれませんね」と話します。
また、頭に巻いて、1日に3回も交換するほどこだわりがあるご主人のためと、イナゾーファームの看板商品、トマトジュースのボトルラッピングにも使えるよう「オリジナル日本手ぬぐい」をつくり、活用しています。