野菜類における防除のポイントについて

 この記事は2021年6月4日に掲載された情報となります。
 ホクレン肥料農薬部技術普及課より、野菜類における防除のポイントについて情報を発信いたします。

1.チョウ目害虫に卓効・長期残効を有する新規系統(IRACコード:30)について
コナガはチョウ目に属する昆虫の一種で、特にアブラナ科野菜を食害する重要害虫であり、防除は必須です。また、露地では少なくとも年5回程度発生すると言われており、いずれの作型でも注意が必要です。
 道内では合成ピレスロイド、IGR(昆虫成長制御)系薬剤で抵抗性個体が確認され、府県ではジアミド系薬剤への抵抗性個体も確認されています。しかし、コナガは飛来性害虫であり、年次・地域によっても薬剤感受性が異なる可能性があるため、薬剤散布後の効果確認を行い、効果が劣る場合は直ちに他系統の薬剤に切り替えるようにしましょう。
 チョウ目害虫に卓効及び長期残効を示す新規系統としてIRACコード30が新設され、グレーシア乳剤とブロフレアSCの2剤が分類されています。両剤ともにコナガやアオムシ、ヨトウムシ等を含むチョウ目害虫に2~3週間程度の長期残効を示します。グレーシアは加えてアザミウマやハモグリバエ、ハダニ類にも適用があります。但し、両剤とも浸透移行性がなく、生育初期に散布した場合、散布後に生育した新葉では効果を示さないため、生育後半に散布するようにしましょう。注意点としてグレーシアとブロフレアは同じIRACコードのため、2剤を連続して散布することは害虫の抵抗性管理上、避けるようにしましょう。
※浸透移行性とは有効成分が作物の体内を移行していく性能のこと

 

野菜類における防除のポイントについて

野菜類における防除のポイントについて

野菜類における防除のポイントについて