秋播き小麦における防除のポイントについて

 この記事は2021年6月4日に掲載された情報となります。
 ホクレン肥料農薬部技術普及課より、秋播き小麦における防除のポイントについて情報を発信いたします。

 秋播き小麦 赤かび病
<防除のポイント>

1.赤かび病について
(1)開花期に感染・発病する小麦の重要病害で、減収をもたらすだけでなく、かび毒デオキシニバレノール(DON)を産生
  し品質を低下させます。
(2)主な病原菌は4種類で、DONを生産する菌はグラミニアラムなど2種類あります。
(3)M.ニバーレはDONを産生しませんが、赤かび粒による減収被害となります。また、葉身に不定形の枯死病斑を生じ
る葉枯症状をおこし、早期に多発すると減収の要因となります。

 

秋まき小麦における防除のポイントについて

秋まき小麦における防除のポイントについて

2.防除の考え方

(1)赤かび病防除はDON濃度の低減が重要であることから、開花期間に薬剤を散布をすることが基本となります。
(2)薬剤散布は、穂全体に薬液がかからなければ効果は劣るため、早すぎる散
布は無駄になり、発病を確認してからの散布では効果は劣ります。
(3)散布のタイミングは、開花始に1回目、以降7日間隔で合計3回程度散布します。
(天候によって開花が揃わない場合もあるため)
(4)防除薬剤は、DON濃度の低減効果と併せニバーレにも効果の高い薬剤を選定し、防除の1回目(開花始)および2回目
(7日後)に散布します。
(5)なお、耐性菌管理の点から同一系統の薬剤の連用は避けましょう。
秋まき小麦における防除のポイントについて
秋まき小麦における防除のポイントについて
秋まき小麦における防除のポイントについて