キタシーブフロアブルのご紹介

 この記事は2022年8月2日に掲載された情報となります。

キタシーブフロアブル

キタシーブフロアブルはジフルフェニカン7.4%と新規成分であるピロキサスルホン7.4%を含む、秋まき小麦向けの新規除草剤です。
小麦の一年生イネ科雑草、広葉雑草等に幅広い効果があり、主要な雑草であるスズメノカタビラ、イヌカミツレ等にも高い効果が期待できます。

新規の有効成分であるピロキサスルホンはブランド名「アクシーブ」として、すでに世界各国では畑作向け除草剤として広く使用されている成分です。

1.小麦での農薬登録内容
秋播き小麦でのは種後~小麦3葉期(雑草発生前~発生始期)の期間での使用が可能です。

2.小麦の難防除雑草について
地域により優先となる雑草は異なりますが、下の2つの雑草は道内に広く分布する主な強害雑草です。

スズメノカタビラ
スズメノカタビラ

イネ科の越年生雑草で、繁殖力が非常に旺盛な強害雑草。主に小麦と同時期に発芽する。越冬後、小麦の幼穂形成期前後より出穂し、個体当たり約2,000粒の種子をつけ、収穫時には枯れ上がっている。収穫に支障はないが、吸肥力が強いため小麦の生育に影響を与える。

イヌカミツレ
イヌカミツレ

キク科の越年生雑草で強害雑草である。主に秋に発芽しロゼット状(タンポポのように葉を放射状に地面に広げた形)で越年するものもあるが、春にも発生する。小麦の出穂後より白い花が咲き始め、個体当たり10,000~20,000粒の種子をつける。

3.2020年~2021年の施防協試験結果について
<試験設置所数>
 2020年秋に全道のホクレン8支所管内22カ所で施防協試験を設置しました。

<試験結果の概要>

評価:A効果高い、B効果がある、Cやや劣る、?不明

試験結果としては、登録範囲の80㎖(低薬量)、100㎖(高薬量)のいずれの薬量においても高い効果を示しました。

<難防除雑草に対する効果>

評価:A効果優る、B効果同等、Cやや劣る

難防除雑草であるスズメノカタビラ、イヌカミツレに対する効果では、試験の対照となった現地慣行の薬剤と比較し、いずれも同等~優る評価でした。

<薬害の影響について>

この薬剤は降雨条件や土壌条件により薬害を生じる恐れがあります。施防協試験のうち2カ所の試験で生育抑制や遅延などの薬害が確認されました。1カ所の試験では処理後の降雨(3日間で61.5mm)の影響と考えられます。もう1カ所については明確ではないですが、これも処理後の降雨が影響した可能性があります。

4.まとめ
現地で慣行で使用されている他の除草剤と比較し、同等~優る結果となりました。スズメノカタビラに対しても同等~優る結果であり、こうした雑草に対して困っている地区で従来剤以上の効果を期待できる薬剤です。
一方、降雨等の影響と考えられる薬害の事例が一部見られたため、注意事項を守り安全な使用となるよう心がける必要があります。

5.使用に当たっての注意事項
効果の高い除草剤ですが、安全にお使い頂くために、特に下記の注意事項を守ってご使用頂きますようお願いいたします。
ア.播種深度は2~3cmとする。
イ.散布後の強い降雨が予想される場合は使用を避け、出芽揃以降(麦3葉期まで)の散布を推奨する。
(強い降雨の目安:散布3日以内に10mm/日 以上)
ウ.砂質土壌、火山性土壌など透水性の高い土壌では少なめの薬量(80mL/10a)での散布を推奨する。

クミアイ化学㈱HPより抜粋

また散布した当年または翌年に、後作として水稲、大麦、ソルガムを栽培した場合には薬害を生じるおそれがあるため、その場合には使用を避けてください(例えば雪腐病などにより翌春に小麦が廃耕した場合など、上記作物の栽培とならないようご注意ください)。
その他の注意事項については、製品ラベル、クミアイ化学㈱HPなどで確認できます。十分に注意事項を守った上での安全なご使用を重ねてお願いいたします。