この記事は2023年5月31日に掲載された情報となります。
資材事業本部 肥料農薬部 肥料課
1.価格交渉の経過
(1)令和5肥料年度(令和5年6月~令和6年5月)の価格について、弊会は生産者・会員農協を代表して、本年2月より各メーカーと個別に交渉を行いました。
(2)弊会は依然として北海道農業が厳しい情勢の中、生産者の営農コスト低減による農業生産基盤の維持拡大、多様化する生産者ニーズへの対応を進め、製品の安定供給を念頭に肥料価格の最大限の引き下げを図るべく、メーカー各社と交渉してまいりました。
2.価格交渉の結果
弊会取扱主要化学肥料の平均で19.4%の値下げでの決定(令和4肥料年度対比)
(1)輸入肥料原料の国際市況は令和3年後半から高騰しましたが、その後、原料価格高騰による世界需要の減少により、現時点の国際市況は下降してきております。令和5肥料年度の輸入原料価格は直近の為替状況を反映すると共に、尿素やりん安、加里等主要原料の今後の国際市況を厳しく見通し、最大限安価に設定しました。
(2)製造諸経費は電力費、工場の補修費用、人員確保などに関わる労務費等の上昇を背景に強い値上げ要求がある情勢でした。
(3)輸入原料価格の国際市況が軟化傾向であるため令和5肥料年度は値下げとなりますが、以前の価格水準には戻っていないことから、昨年に引き続き3億円の「肥料価格対策(価格織込)」を実施し、価格抑制に努めます。
(4)この結果、弊会主要化学肥料の平均で19.4%の値下げでの決定に至りました。なお、国内産原料から製造される石灰類などは製造諸経費の上昇影響が大きく、値上げとなるものがあります。
3.今後の各種取り組み
令和5肥価格が高止まりしていることから、肥料原料調達から製品供給および生産現場での技術対応までの各種取組みを実施し、安定供給並びに施肥コストの低減に努めます。
(1)原料調達
経済安全保障推進法の特定重要物資指定に伴う国の支援を活用した輸入原料備蓄の強化を図りながら、仕入先多元化や早期手配を進め安定確保に努めます。
(2)製品供給
ア.安定供給に向けた予約購買体制の強化に努めます。
イ.コスト低減の最重点品目であるBB肥料の積極的な取扱拡大を図ります。
ウ.施肥作業の省力化や環境配慮への取組みに繋がるBB肥料「せひラクシリーズ」、「えこラクシリーズ」の普及拡大を図ります。
(3)技術対応
土壌分析診断の重要性の再啓発並びに分析結果に基づく適正施肥の推進に努めます。また国内資源の有効活用を目的とした粒状堆肥入りBB肥料の商品化に取り組んでまいります。
※内容に関しての問い合わせは、下記にお願い致します。
ホクレン農業協同組合連合会 資材事業本部 肥料農薬部 肥料課 (TEL:011-232-6158)