![冷蔵庫(1℃)で220ケースを保存](https://agriport.jp/wp-content/uploads/2022/11/66e091bc2d19932de79e174ad215915d-18-1024x600.png)
カテゴリー:生産振興
実施年度:2020~2021年度
対象:JAようてい
実施:倶知安支所営農支援室
協力関係機関:後志農業改良普及センター
POINT
●鮮度保持フィルムXtendⓇによるメロンの長期貯蔵の可能性検討
●ようてい冬メロンとして販売、ブランド確立を目指す
この記事は2022年11月1日に掲載された情報となります。
長期貯蔵メロンの可能性
北海道産メロンは、主に6月から10月まで出荷されていますが、近年、小売や観光、飲食などの業界からクリスマスや年末年始、更にはさっぽろ雪まつりなどの冬の観光シーンにも販売・提供ができる商品へのニーズが高まっています。
冬場のメロンは、国内産の物量が少なくなることから単価が高くなり、生産者の所得向上にもつながるものとして、ホクレン食品流通研究課と連携のもと晩秋期に収穫されるメロンの長期貯蔵試験を行ってきました。
過去2年間の取り組み
JAようていでは、長期貯蔵メロンに適した品種として「レッド113」を選定し、蘭越町の生産者ハウスで栽培された「秀」「優」等級の4〜6玉規格(8kg/箱)メロンをStepac社製の鮮度保持フィルム「Xtend Ⓡ」で包装。蘭越町選果場保冷庫で保管する実証試験を2020〜2021年度の2カ年にわたり行いました。
2020年度は83%以上の製品率を確保したので、2021年度は、前年を上回る製品率を目標に掲げました。結果として、試験総数220ケースを1℃で冷蔵保管し(写真1)、個選出荷で200ケースだったため、製品率は91%となり、目標を上回ることができました。
鮮度保持フィルムの特徴
青果物の鮮度保持には、収穫後も続く呼吸の制御が重要となります。この長期貯蔵技術では、青果物の呼吸量に応じて酸素や二酸化炭素濃度が調整されるように設計された鮮度保持フィルム「Xtend Ⓡ」を使用しています(写真2)。この鮮度保持フィルムで覆うことで、メロンを休眠状態にして追熟を遅らせます。
![カビ発生リスク軽減のため、つるのアンテナ部分を切除し、切り口の汁を拭き取ってから鮮度保持フィルム「XtendⓇ」で包装](https://agriport.jp/wp-content/uploads/2022/11/8169add18e93b0f7c94cd8e7fbe321c5-18-1024x217.png)
また、この鮮度保持フィルムには呼吸制御に加えて調湿機能もあることから、カビの発生要因となる結露を抑えながら適度な湿度を保つことができ、長期貯蔵に適した環境を作ることができます(図1)。
![鮮度保持フィルムによる貯蔵性評価(2021年度)](https://agriport.jp/wp-content/uploads/2022/11/795316b92fc766b0181f6fef074f03fa-92-1024x312.png)
ようてい冬メロンとして販売
2021年10月中旬に長期貯蔵開始したメロンを11月下旬に出荷開始し、「ようてい冬メロン」として約1カ月間販売しました(ホクレンくるるの杜に秀品39ケース、ほかに秀品・優品161ケース)(写真3、写真4)。お客様からの反応も良く、メディア報道などもあり、認知度の向上を図ることができました。
![ホクレンくるるの杜での売り場風景](https://agriport.jp/wp-content/uploads/2022/11/014cfe2668299a72d0f3addb9bbd26f3-9-1024x367.png)
![糖度も高く、肉質良好](https://agriport.jp/wp-content/uploads/2022/11/373697687e8e7f29a5ccb937d90d8363-8-e1669094360787-1024x642.png)
今後の取り進め
今回の実証試験における長期貯蔵メロン鮮度保持技術は、品質的に満足のいくレベルであったことから、11月中旬から12月中旬を出荷時期とする「ようてい冬メロン」のブランド確立に向けて、安定的な出荷と増産の計画を進めていく予定です。