カテゴリー:生産振興
実施年度:2020年度
対象:JAようてい
実施:倶知安支所営農支援室
協力関係機関:後志農業改良普及センター
POINT
●トマトの栽培環境を遠隔地からも把握可能に
●栽培環境データの共有で栽培管理技術の向上へ
この記事は2022年6月1日に掲載された情報となります。
環境モニタリングシステムの実証
JAようていでは、約90戸の生産者がトマトを栽培しており、作業の省力化や生産性向上が求められています。そこで、環境モニタリングシステム「みどりクラウド®みどりボックスPRO(以下みどりボックスPRO)」に着目(写真1)。ハウス内環境データを遠隔監視で見える化することによる作業負担の軽減と、適切な栽培管理の実用性を評価しました。また、近隣生産者と情報を共有することで、都度変化する栽培環境を互いに確認しながら、より適切な栽培管理と生産性向上につなげることも目標としました。
システムの設置および現地視察
実用性の評価は蘭越町のトマト(品種:桃太郎サニー)栽培ハウス1棟で行いました。2020年4月に環境測定の心臓部である「みどりボックスPRO」の操作方法を説明し(写真2)、5月上旬に設置。その後5〜10月に、環境データ(温度、湿度、日射量、二酸化炭素濃度、土壌水分)を生産者と確認しました。8月には、システムを活用した栽培の課題を検討するため、関係機関が集まり現地視察研修を実施(写真3)。収穫後、栽培環境データをまとめ、12月にはトマト生産組合などで紹介しました。
環境モニタリングデータの活用
環境モニタリングシステムは、遠隔地からスマホやタブレットで環境データが確認できます(図1)。特に土壌水分については、30%を目安に適切な水管理作業を行うことができました(図2)。また、他の生産者のハウス内環境データが閲覧できるので、環境の違いを参考にすることも可能です。生産者からは「今年度の収量は、天候が良かった影響が大きいものの、10a当たり8〜9tと昨年よりプラス1t程度採れた」という声がありました。
今後の普及に向けて
トマトのハウス栽培において、環境データを共有することで地域の生産性向上につながる可能性があります。今後も、トマト生産組合の研修などで取り組み事例として紹介したいと考えています。