カテゴリー:生産振興
実施年度:2019~2021年度
対象:JAびばい、JAそらち南
実施:岩見沢支所営農支援室
協力関係機関:空知農業改良普及センター
POINT
●安定生産に向けた技術の確立と情報共有
●安定販路の確保および「空知産新生姜」の認知度向上
この記事は2022年4月1日に掲載された情報となります。
北海道における生姜の位置付け
生姜は、収穫して間もない「新生姜」と数カ月貯蔵した後に流通する「囲い生姜」に分けられます。生姜の栽培には積算温度が必要なため、北海道では露地での栽培は難しく、ハウスを用いた生産しかできないとされています。
JAびばいでは、2014年より「新生姜」を地域の新たな園芸作物と位置付けてハウス栽培に取り組んでいます。また、JAそらち南でも、道内先進地のJAびばいと情報交換を行いながら、2019年より新生姜の安定生産に向けて栽培試験を行ってきました(写真1・2)。
2020年には、両JAで13戸の生産者が新生姜の栽培に取り組み、目標の増殖率を大きく上回る結果となりました(図1)。
栽培体系の構築に向けて
JAそらち南では、2019年より栽培に着手しましたが、1年目は収量が低く生産性の向上が課題となりました。そこで本州の先進地を訪問し収集した情報などをもとに、両JA、普及センターおよび生産者で解決策を検討し、栽培マニュアルを作成しました。現在、作成したマニュアルを基本に、育苗方法や追肥回数の検討を進め安定多収に向けて取り組んでいます。
「空知産新生姜」の販路確保へ
畑から収穫・洗浄後に生のまま出荷する「新生姜」は、まさに「旬」の風味が堪能できます。
この食材のすばらしさを広げるため、ホクレンGREEN WEBのコンテンツを活用し、札幌市内の飲食店3店舗が両JAとコラボしてオリジナルメニューを開発。各店舗で数量・期間限定で提供する企画を行いました(写真3〜7)。
また、「ホクレンくるるの杜」の即売会において、直接消費者にレシピの配布による料理方法を紹介したり、これまでの取り組み内容を新聞・テレビなどで情報発信したり、消費者の認知度向上に向けたさまざまな取り組みを展開しました。
地域ブランドの確立を目指して
ブランドの確立には、安定生産が必要条件です。生産者・JA・農業改良普及センターと連携して、栽培条件の検討を更に進めていく予定です。そして、消費者の認知度向上に向けて、9月下旬から10月上旬が「旬」の北海道の新生姜の魅力をPRしていきます。